SUMMARY
この記事の要約
卓球など息が弾む程度の運動を仕事帰りに週1回60分行えば、国が成人に推奨する「運動 週60分以上」の目安に届きます。ただし「身体活動 週23メッツ・時」は別建ての目標で、通勤の歩行など日常の動きと合わせて積み上げるものです。ヨガ(全般)のように3メッツに届かない種目では、60分行っても運動の目安を埋めにくくなります。続けるには曜日と時間を固定し、持ち物と移動の手間を減らすことが大切です。
この記事でわかること
デスクワークで固まった肩、夕方に重くなる脚、寝ても抜けない疲れ。運動が要ることは分かっているのに、仕事が終わるころには気力が残っていません。ジムに入って数か月で行かなくなった経験があると、続かなかった原因を自分の意志の弱さに求めてしまいがちです。
けれども、その前提は公的な数字で見ると簡単に崩れます。社会人の運動実施率はどのくらいか、国はどれだけ動くことを推奨しているのか、仕事帰りの60分でそこにどこまで届くのか。強度(メッツ)と手間(荷物・着替え・所要時間)の両面から種目を並べ直し、夜に運動すると眠れなくなるという不安にも公的なガイドの記述で答えます。使う数値はすべて、スポーツ庁と厚生労働省が公開している資料から取りました。
社会人の半分は、週1回も運動していない
自分の運動不足がどの程度なのかを、まず現在地の数字で確かめます。
20歳以上の実施率は51.7%、男女差は過去最大
スポーツ庁の「令和7年度 スポーツの実施状況等に関する世論調査」(令和8年3月11日公表)によると、20歳以上で週1日以上運動・スポーツをする人の割合は51.7%でした。男性55.0%に対して女性48.8%、この男女差は過去最大となっています。
半数近くが週に1日も運動していない、と読み替えることもできます。運動していない自覚があるとしても、それは特殊な状態ではありません。
1週間の実施時間、中央値は69.0分
同じ調査は実施時間の中央値も公表しています。
| 区分 |
週1日以上の実施率 |
1週間の実施時間の中央値 |
| 全体 |
51.7% |
69.0分 |
| 男性 |
55.0% |
90.0分 |
| 女性 |
48.8% |
59.8分 |
「運動している側」に分類される人を含めても、1週間の運動時間は1時間前後です。週に何時間も確保しなければ運動したことにならない、という思い込みが最初の一歩を重くしています。実際の基準線は、思っているよりかなり低い位置にあります。
20代から50代で低いのは、生活の構造から来ている
同調査は、20代から50代の子育て・働き盛り世代で引き続き低い傾向にあると指摘しています。この世代の女性は1週間あたり30〜40分程度と特に短く、同世代の男性の約半分にとどまります。
働く時間と家庭の時間に挟まれた世代がまとめて低い、という並び方は、意欲の差より生活構造の差を示しています。年代が上がって時間の制約が外れると、運動の課題は「時間がない」から「体に無理がないか」へ移ります。60代以降の運動の考え方は60代以降の女性が卓球で健康を保つ方法に別途まとめました。
「どれくらい動けば足りるのか」に、国は数字で答えている
週に何回、1回何分やれば足りるのか。この問いには公的な目安が存在します。
成人の推奨事項は4項目
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、成人に次の推奨事項を示しています。
| 項目 |
成人への推奨事項 |
| 身体活動 |
3メッツ以上の身体活動を週23メッツ・時以上(歩行かそれと同等以上の強度を1日60分以上、1日約8,000歩以上に相当) |
| 運動 |
3メッツ以上の運動を週4メッツ・時以上(息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上) |
| 筋力トレーニング |
週2〜3日 |
| 座位行動 |
座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意する |
メッツは運動の強度を表す単位で、じっと座っている状態を1とした倍率です。3メッツ以上が中強度の目安になります。
「身体活動」と「運動」は別建て。混同すると始める前に諦める
上の表で最も誤解されやすいのが、1行目と2行目が別の推奨だという点です。
身体活動は、通勤の歩行・買い物・掃除・階段の上り下りといった生活活動まで含めた、体を動かすこと全体を指します。運動はそのうち、体力の維持と向上を目的に計画的に行うものです。
つまり週23メッツ・時は生活全体で積み上げる数字であり、運動だけで埋めるものではありません。一方で息が弾む程度の運動を週60分以上という目安は、意図的な運動そのものに向けられています。
ここを取り違えないでください
- 週1回60分の運動で満たせるのは「運動 週4メッツ・時(週60分)」の目安まで
- 「身体活動 週23メッツ・時」は日常の歩行や家事と合わせて積み上げる別の目標
- 2つを1つの数字と考えると「週1回では23分の4にしかならない」と誤解し、始める前に諦めることになる
計算式は「メッツ×時間」だけ
メッツ・時は、メッツに実施時間(時間)を掛けた値です。計算はこれだけで済みます。
卓球は4.0メッツなので、60分で4.0メッツ・時です。息が弾む程度の運動を週60分以上という運動側の目安は、週1回60分で満たせます。身体活動側の週23メッツ・時に対しては、約17%にあたります。
残りを日常で積む場合の考え方も、同じ式で出せます。メッツ表では通勤・通学の歩行が4.0メッツなので、片道15分の徒歩通勤なら往復30分で1日2.0メッツ・時、週5日で10.0メッツ・時になります。週1回の運動60分と合わせると14.0メッツ・時で、目標の6割です。ここに掃除機がけや階段の上り下りが乗ります。
筋力トレーニングと座りっぱなしも推奨に含まれる
見落とされがちですが、筋力トレーニング週2〜3日と、座位行動を長くしすぎないことも推奨事項に入っています。ガイドは筋力トレーニングを週4メッツ・時の運動に含めてもよいとしています。
デスクワーク中心の生活では、この座位行動の項目が最も外れやすくなります。1時間座り続けたら立ち上がる、といった小さな行動も推奨の範囲に含まれます。
仕事帰りの運動が続かない3つの理由は、意志ではなく設計にある
続かなかった経験を意志の問題として片づけると、次も同じ結果になります。3つの理由に分けると、いずれも設計で動かせる変数だと分かります。

理由1・疲れている時間帯に「行くかどうか」を毎回決めさせている
仕事を終えた直後に「今日は行くか、やめるか」という選択を毎回置く形にすると、疲れている日ほど行かない側の答えが勝ちやすくなります。
行くと決めた日に行けなかったのではなく、決める機会が毎回発生する設計になっていたのが実態です。
理由2・通勤鞄にウェアとシューズは入らない
ウェア、シューズ、タオル、着替え、洗面用具。仕事道具の入った鞄に、これらを毎回足すことになります。
朝に荷造りを済ませないと行けない、という前提が1つ増えます。準備の負担が前日や当日の朝へ前倒しされるため、当日の気分と関係なく手間が先に発生します。
理由3・60分動くために、往復2時間の枠が必要になる
運動そのものが60分でも、拘束される時間はそれで終わりません。自分の場合の内訳を、一度書き出してみてください。
総所要時間の内訳を書き出す
- 職場から施設までの移動時間
- 着替えと準備の時間
- 運動そのものの時間
- シャワーと身支度の時間
- 施設から自宅までの移動時間
合計が2時間を超えるなら、続かなかったのは意志ではなく所要時間の問題です。移動を「帰り道の途中」に置き換えるだけで、この合計は大きく縮みます。
続いている人がやっているのは、決める回数を減らすこと
3つの理由に共通するのは、意思決定と手間の量です。裏返すと、続けるための設計変数も3つに絞れます。
- 曜日と時間を固定する — 毎週水曜19時と決めてしまえば、行くかどうかを判断する場面が消えます
- 持ち物を減らす — 用具を借りられる場所を選ぶと、朝の荷造りが不要になります
- 総所要時間を短くする — 帰り道の途中にある場所を選ぶと、移動が通勤時間に吸収されます
仕事帰りにできる運動を「強度×手間」で比較する
種目の一覧は多くの記事にありますが、比べる軸がないまま並んでいることがほとんどです。強度と手間の2軸で並べ直します。
種目別のメッツ一覧
医薬基盤・健康・栄養研究所と産業技術総合研究所が作成した「改訂第2版 身体活動のメッツ表 成人版」から、仕事帰りに選ばれやすい種目を抜き出しました。
| 種目 |
メッツ |
| ヨガ(全般) |
2.3 |
| レジスタンストレーニング(複合種目を8〜15回) |
3.5 |
| 歩行(4.5〜5.5km/時) |
3.8 |
| 歩行(通勤・通学) |
4.0 |
| 卓球 |
4.0 |
| テニス(ダブルス) |
4.5〜6.0 |
| 速歩(5.7〜6.3km/時・運動目的で歩く) |
4.8 |
| レジスタンストレーニング(スクワット等) |
5.0 |
| 水泳(平泳ぎ・レクリエーション) |
5.3 |
| バドミントン(試合以外のシングルスとダブルス) |
5.5 |
| 往復水泳(自由形・ゆっくり) |
5.8 |
| ジョギング(自分で選んだペース) |
7.5 |
テニスのダブルスは、同じ名称で4.5と6.0の2件が記載されているため幅で示しました。プレーの内容によって強度が変わる種目だと考えてください。
ヨガとストレッチは、目的が別のところにある
表で目を引くのが、ヨガ(全般)の2.3メッツです。この値は3メッツ以上という中強度の線に届きません。同じメッツ表でも、スリヤナマスカーのように動きの多い種類は3.5メッツと記載されており、内容によって幅があります。
これはヨガが劣るという話ではありません。柔軟性や呼吸を目的とした活動として位置づけが違うだけです。息が弾む程度の運動を週60分という目安を埋める用途で選ぶと、期待した結果になりにくい、という整理になります。
強度だけでは選べない——手間で並べ直す
強度が高い種目ほど良い、とはなりません。実行できない強度は0メッツと同じです。手間の軸を足すと、順位は入れ替わります。
| 種目 |
メッツ |
持ち物 |
一人で成立するか |
天候の影響 |
| ジョギング |
7.5 |
少ない |
成立する |
受ける |
| 往復水泳 |
5.8 |
水着・ゴーグル・タオル、髪を乾かす時間 |
成立する |
受けない |
| バドミントン |
5.5 |
ラケット・シューズ・ウェア |
相手か教室が必要 |
屋内なら受けない |
| 筋力トレーニング |
3.5〜5.0 |
ウェア・シューズ・タオル |
成立する |
受けない |
| 卓球 |
4.0 |
少ない(用具を借りられる場所が多い) |
相手か教室が必要 |
受けない |
| ヨガ |
2.3 |
ウェア(マットは貸し出しが多い) |
成立する |
受けない |
一人で成立する種目は、裏を返すと一人でやめられます。相手が要る種目は始めるまでの段取りが1つ増えますが、その代わりに「行く理由」が自分の外側に残ります。
なお消費カロリーの目安を体重別に知りたい場合は、卓球1時間の消費カロリーと食事の考え方に計算式と早見表を載せています。
夜に運動すると眠れなくなる?——睡眠ガイドの記述を読む
仕事帰りの運動をためらう理由として、寝つきへの影響がよく挙がります。ここも公的な記述が存在します。

就寝の約2〜4時間前までなら、睡眠改善に有効と報告されている
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」には、夕方や夜の時間帯の運動でも、目安として就寝の約2〜4時間前までであれば睡眠改善に有効と報告されている、と記載されています。
仕組みも説明されています。運動で深部体温が上がったあと、血液循環が高まって放熱が進み、深部体温が下がる。この下がる流れを利用するのが睡眠改善のコツだ、という説明です。
強度を上げすぎると、かえって睡眠を妨げる
同ガイドは、過剰に強度の高い運動が逆に睡眠を妨げ、けがにもつながる可能性を指摘しています。そのうえで、年齢や体調に応じて無理のない軽い運動から始め、徐々に強度を増やしていくことをすすめています。
問題になるのは「夜に運動すること」そのものではなく、強度を上げすぎることです。仕事帰りに息が弾む程度の運動を60分行い、帰宅して入浴と食事を済ませる流れなら、追い込む形にはなりません。
運動習慣がない人ほど、睡眠休養感が低い
同ガイドには、運動習慣がない人は睡眠休養感(睡眠で休養がとれている感覚)が低いことが分かっている、とも書かれています。ウォーキングやジョギングのような有酸素運動は寝つきを良くし、深い睡眠や睡眠時間を増やし、睡眠休養感も高めると報告されています。
疲れが抜けないから運動する気力が出ない、という状態は、順序が逆になっている可能性があります。
逆算すると、平日の仕事帰りは条件に合う時間帯
23時に寝るとして、就寝の2〜4時間前は19時から21時です。仕事を終えて20時前後に体を動かす習慣は、この範囲にきれいに収まります。
頻度についてもガイドは触れています。週1回より複数回のほうが効果的だとしたうえで、まずは運動習慣を確立することが大切だと書かれています。1日60分未満でも定期的な運動習慣を確立し、少しずつ増やしていく形が推奨されています。
女性の実施率が男性より低い背景を、時間や負担から考える
性別で分けた数字が出ている以上、その差には触れておく必要があります。
実施率48.8%、実施時間59.8分
冒頭で挙げた令和7年度の調査では、実施率が男性55.0%に対して女性48.8%、1週間の実施時間の中央値が男性90.0分に対して女性59.8分でした。差は実施率で6.2ポイント、時間では約30分あります。20代から50代の女性に限ると週30〜40分程度で、同世代の男性の約半分です。
この調査は差が生まれる理由までは示していません。ただ、実行までにかかる手間を書き出すと、負担が対称でないことは見えてきます。
上乗せされる手間を書き出す
運動60分の外側にある作業
- 着替えと、運動後の身支度
- 汗をかいたあとのメイク直し
- 髪を乾かす時間(水泳を選ぶとさらに増える)
- ウェアと着替えを入れた分だけ重くなる通勤鞄
- 遅い時間の帰り道をどう通るか
同じ「仕事帰りに60分運動する」でも、前後に必要な作業の量が違えば、続く確率も変わります。続かなかった理由を意欲だけに求めず、本人が負担している手間や時間も確認してみましょう。ここで挙げた作業が、すべての女性に当てはまるわけではなく、男女の実施率の差を説明する原因と確定したものでもありません。
コストを下げる3つの条件
手間の合計を減らす方向で選ぶと、条件は次の3つに絞られます。
- 手ぶらで行けること — 用具とシューズを借りられるなら、通勤鞄は今日のままで済みます
- 短時間で終わること — 運動60分に対して、総所要時間90分程度に収まる場所を選びます
- 帰り道の途中にあること — 遠回りが発生しない位置なら、移動時間が実質ゼロになります
汗の量も選択に関わります。全力で追い込む種目より、息が弾む程度で止められる種目のほうが、そのまま帰れる可能性が高くなります。
「一人で行っても浮かない」場所をどう見分けるか
一人で参加して浮かないか、という不安は種目選びより場所選びの問題です。見分ける手がかりは3つあります。
初回に用具の貸し出しがあるか。初心者向けの時間帯やクラスが分かれているか。一人での申し込みを前提にした案内が出ているか。この3点が示されている場所は、一人で来る人を想定して運営されています。
人と関わらずに体を動かしたい日もあります。卓球マシンを時間単位で借りて一人だけで練習する方法もあり、一人で練習できる卓球マシン練習場という選択肢に施設の使い方をまとめています。
仕事帰りの運動として卓球が成立しやすい理由
ここまでの条件(中強度・荷物が少ない・屋内・一人で行ける・短時間)を全部通すと、選択肢はかなり絞られます。卓球がその1つになる理由を、数字の側から説明します。

4.0メッツに、強度を意識しないまま届く
卓球は4.0メッツです。運動目的の速歩(5.7〜6.3km/時)が4.8メッツなので、それよりやや低く、4.5〜5.5km/時の歩行3.8メッツをやや上回る位置になります。中強度の目安である3メッツは十分に超えています。
速歩を1時間続けるには、意識して速度を保つ必要があります。卓球の場合は球を追ううちに勝手に足が動くので、身体活動のメッツ表では中強度に相当する活動として扱われています。ただし、この値で個人の運動強度が決まるわけではありません。ラリーの続き方や休憩の長さで負荷は変わるので、息の弾み方や体調を確かめながら取り組みましょう。運動が苦手な人にとっては、この差が大きな助けになります。
相手と打ち合う構造が、行く理由を自分の外側に作る
ラリーは相手がいなければ1球も成立しません。この構造が、続かない理由の1つ目への対策として役立ちます。
一人で完結する運動は、行くかどうかを自分だけで決められます。決められるということは、疲れた日に自分だけでやめられるということでもあります。相手と時間を合わせる形にしておくと、意思決定の場面がそもそも発生しません。
屋内なので、雨の日に予定が消えない
平日夜の運動は、1回飛ばすと次の週まで空きます。屋外の種目は天候で飛ぶ日が出ますが、屋内で完結する種目にはその要素がありません。
逆に、卓球が向かないケース
向かない場合もはっきりさせておきます。
- 一人で黙々と追い込みたい人。相手と時間を合わせる前提が、かえって負担になります
- 体を大きくしたい、筋量を増やしたい人。4.0メッツの有酸素運動は目的に対して的が外れています
- 強度の高い運動で発散したい人。ジョギング7.5メッツのような種目のほうが目的に合います
始める動機や必要な道具、費用の目安については大人から卓球を始めるのは遅いのかに整理しています。
週1回から始める仕事帰りの運動設計
最後に、今週から実行する形に落とします。
曜日と時間を固定して、週1回を先に確立する
毎週何曜日の何時、と決めてしまいます。週2回から始めて崩れるより、週1回を3か月続けたほうが先に進みます。
睡眠ガイドも、週1回より複数回のほうが効果的だとしたうえで、まずは運動習慣を確立することが大切だと書いています。回数を増やすのは、行くのが当たり前になってからで間に合います。
手ぶらで行ける形にする
持ち物を1つ減らすたびに、実行までの障害が1つ消えます。用具を借りられる場所を選び、シューズを施設に置けるなら置きます。
着替えは1組だけロッカーに常備しておく、という方法もあります。朝に荷造りをする前提を外すことが目的です。
1回60分で切り上げる
運動時間は60分を目安にします。息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上、という国の目安がここで満たせます。
長くやるより、翌週も行ける状態で終わるほうが総量は増えます。移動と着替えを含めた総所要時間が90分程度に収まる形にすると、平日の夜でも組み込めます。
運動の前後に入れておく最低限の準備
いきなり全力で打ち始めると、翌日に響きます。軽く歩く、肩と股関節を回す、といった短い準備を入れてから始めてください。終わったあとに脚と肩を伸ばしておくと、翌朝の疲れの残り方が変わります。
始める場所を決める
平日夜に使える場所は、大きく3タイプに分かれます。
- 公共施設の個人開放 — 市区町村の体育館などで台が開放される時間帯があります。料金は抑えられますが、夜間の実施曜日は施設によって異なります
- 民間の時間貸し — 台を時間単位で借ります。打つ相手を自分で連れて行く前提の施設が多くなります
- 教室・スクール — コーチが基本から教えます。相手を探す手間がなく、一人で申し込めます
運動経験がなく、相手のあてもない状態から始めるなら3番が最短です。施設タイプごとの探し方は卓球ができる場所を施設タイプ別に探す手順に、教室の選び方と料金の相場は大人の卓球教室の選び方と料金相場にまとめています。
よくある質問
社会人は週に何回、どれくらい運動すればいいですか?
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、成人に対して息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上(週4メッツ・時以上)と、歩行かそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分以上(週23メッツ・時以上)を推奨しています。この2つは別建ての目安なので、まずは運動側の週60分を満たすところから始めると現実的です。あわせて筋力トレーニングを週2〜3日行うことも推奨されています。
仕事帰りの夜に運動すると、寝つきが悪くなりませんか?
就寝の直前を避ければ問題になりにくいとされています。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」には、夕方や夜の時間帯の運動でも、目安として就寝の約2〜4時間前までであれば睡眠改善に有効と報告されている、と記載されています。逆に過剰に強度の高い運動は睡眠を妨げる可能性があるため、無理のない強度から始めてください。
社会人で運動している人はどれくらいいますか?
スポーツ庁の「令和7年度 スポーツの実施状況等に関する世論調査」(令和8年3月11日公表)によると、20歳以上で週1日以上運動・スポーツをする人の割合は51.7%でした。男性55.0%に対して女性48.8%と、男女差は過去最大です。20代から50代の子育て・働き盛り世代では引き続き低い傾向が示されています。
運動が続かないのは意志が弱いからですか?
意志より設計の影響のほうが大きいと考えられます。仕事を終えたあとに行くかどうかの意思決定を置き、そこへ荷物・着替え・移動という手間が重なると、実行までの障害が積み上がります。曜日と時間を固定する、用具を借りられる場所を選ぶ、総所要時間を短くするなど、決める回数と手間を減らす設計にすると続けやすくなります。
運動が苦手でも、一人で参加して大丈夫ですか?
相手と打ち合う種目であれば、一人で行っても自然に体が動く流れになります。卓球は身体接触がなく、ラリーの速さを相手と合わせて調整できるため、運動経験や体力の差があっても成立しやすい種目です。初回に用具を借りられる場所を選ぶと、持ち物の負担なく試せます。
仕事帰りに運動するなら、1回どれくらいの時間を確保すればいいですか?
運動そのものは60分を目安にすると、週1回でも息が弾む程度の運動を週60分以上という国の目安を満たせます。ただし往復と着替えを含めた総所要時間が長くなるほど続きにくくなるため、帰り道の途中にある場所を選び、全体で90分程度に収まる形にすると習慣にしやすくなります。
卓球の運動強度はどれくらいですか?
「改訂第2版 身体活動のメッツ表 成人版」では、卓球は4.0メッツとされています。運動目的の速歩(5.7〜6.3km/時)の4.8メッツにはやや届かず、4.5〜5.5km/時で歩いたときの3.8メッツをやや上回る強度です。ただし、個人の強度はプレー内容や休憩の長さで変わります。表の数値だけで運動量を保証せず、実際に動いた時間と、息が弾む程度かどうかを確認しましょう。
まとめ:物差しを持てば、週1回の60分にも意味がある
確認した内容を並べます。
- 20歳以上の運動・スポーツ実施率は51.7%、女性は48.8%で男女差は過去最大(スポーツ庁 令和7年度調査)
- 実施時間の中央値は週69.0分。運動している人でも1時間前後にとどまる
- 国の推奨は身体活動 週23メッツ・時と運動 週60分以上の2本立て。混同しない
- 週1回60分の運動で満たせるのは運動側の目安まで。身体活動側は日常の歩行で積み上げる
- 続かない原因は意志ではなく、意思決定の回数・荷物・総所要時間という3つの設計変数
- 夜の運動は就寝の約2〜4時間前までなら睡眠改善に有効と報告されている(厚生労働省 睡眠ガイド2023)
足りているかどうかを測る物差しがないと、どれだけ動いても不安が残ります。逆に物差しさえ持てば、週1回60分にもはっきりした意味が生まれます。
決めることは3つだけです。曜日を固定する。手ぶらで行ける場所にする。60分で切り上げる。ここまで下げてしまえば、疲れた日でも足が向きます。
まずは1回、仕事帰りに60分だけ動いてみてください。
体験レッスンの流れは津田沼で卓球を体験できる無料レッスンの様子にまとめています。