SUMMARY
この記事の要約
卓球のタイムアウトは1試合に1回、1分以内に限って取れる作戦タイムです。ラリーが終わった直後に、審判へ両手で「T」の字を出して要求します。同じミスが続くときや相手に連続得点されたとき、終盤で狙いを整理したいときが取得の目安で、自分がよい流れに乗っているときは見送る判断もあります。休憩中は深呼吸と水分補給をし、次の1点で実行することを1つ決めます。
この記事でわかること
試合中に迷わず判断できるよう、次の3点を押さえます。
- ルールと取り方では、1回・1分・「T」の字の基本と、選手・コーチどちらが要求できるかを整理します
- 効くタイミングと取るべきでない場面では、5つのサインと、温存すべき状況の判断基準を確認します
- 1分の使い方では、深呼吸・水分・次の1点だけ決めるの3ステップと、直後の1本目の取り方を確認します
読了目安は約4分です。
卓球のタイムアウトとは?基本ルール(何回・何分・取り方)

卓球のタイムアウトは、試合中に1試合につき1回だけ取得できる1分間の作戦タイムです。回数は1回、時間は1分以内。この数字は日本卓球協会のルールと国際大会に共通し、シングルスとダブルスのどちらでも変わりません。
取り方はシンプルで、ラリーが終わった直後に、審判へ向かって両手で「T」の字を作ってアピールします。ラリーの途中では取得できないため、1球の決着がついた瞬間を狙います。タイムアウトが認められたら、競技領域から3m以内で水分補給をしたり、コーチの助言を聞いたり、一人で気持ちを落ち着けたりして1分を使います。
ポイントは「1回・1分・Tの字」。試合の流れを一度止めて、頭と体をリセットするための時間です。焦りを感じた瞬間こそ、この1分の出番になります。
タイムアウトは誰が取れる?選手とベンチコーチの連携
タイムアウトは、個人戦は選手・ペアまたは指定されたアドバイザー、団体戦は選手・ペアまたはチームキャプテンが要求できます。ただし、選手とコーチのどちらが取得しても、その試合に使えるのは合計で1回までです。
「流れが悪い」「このまま続けるのは危険」と感じたら、選手自身の判断で取得して構いません。初心者のうちは遠慮しがちですが、タイムアウトは正式に認められた戦術であり、積極的に使ってよいでしょう。ベンチにコーチや仲間がいる場合は、外から見て崩れ始めていると判断し、選手の代わりに要求することもあります。本人が「まだいける」と思っていても、客観的には流れを失っているケースは少なくありません。
取得するか意見が分かれたときは、個人戦は選手・ペアが、団体戦はチームキャプテンが最終的に決めます。国際競技規則3.4.4.2.2の扱いです。試合前に要求の合図や相談の仕方を確認しておくと、互いの判断を共有しやすくなります。
両者が同時に要求したり、お互いに取りたい場面が重なったりすることもありますが、自分が使える権利はあくまで1回だけです。無駄打ちにならないよう、価値の高い場面まで温存する意識を持っておきましょう。
いつ取る?効くタイミング5つのサイン

タイムアウトが効くタイミングには、初心者でも見分けられる明確なサインがあります。次の5つのいずれかに当てはまったら、Tの字を出す価値が高いでしょう。
- 同じミスを3回繰り返したとき
ネットミスやオーバーミスが連続したら、技術ではなく判断がズレ始めているサインです。一度止まって頭を整理しないと、同じ失点を繰り返してしまいます。ミスが続いて崩れそうなときは、タイムアウト以外にもミスが続いて崩れそうなときに流れを切り替える方法を知っておくと立て直しの引き出しが増えます。
- 相手に連続得点されているとき
相手の攻撃が立て続けに決まり始めたら要注意です。たとえば自分が優勢だった場面から7-2が7-4と詰められるなど、点差が縮まり始めた流れを物理的に止めるのがタイムアウトの役割です。相手の勢いが本物になる前に断ち切りましょう。
- セット終盤の競り合い(9-9、10-9など)
あと1〜2点で勝負が決まる場面において、「このセットは絶対に取りたいが考えがまとまっていない」というときに取ります。深呼吸して思考を整理するために使います。
- 序盤で戦術が定まらないとき
1ゲーム目から相手の球が読めず、何をしても噛み合わないときは、早めに取って軌道修正するのも有効です。例えば1ゲーム目の序盤からレシーブの同じ失敗が続き、何を変えるか整理できないときは、その場で相談する選択肢があります。点差だけで取得を決めず、次の1点に向けて具体的に修正できるかを考えましょう。
- 確実に次の1点が欲しいとき
デュース(11-10など)の1点で試合が決まる場面では、自分のサーブやレシーブの狙いを固めてからコートに入ります。「なんとなく」ではなく、明確な1球を決めて出るためにタイムアウトを使いましょう。
これらの場面での取得が、不利な状況を得点のチャンスに変えるきっかけになります。
取るべきでない場面|残りの1回を無駄にしない
1試合に1回しか使えないからこそ、「取らないほうがよい場面」を知っておくとタイムアウトの価値が上がります。次のようなときは、タイムアウトを温存する判断が賢いでしょう。
- 自分が良い流れに乗っているとき:勝っている側がわざわざ流れを止めると、かえってリズムを崩しかねません。止めたいのは相手の流れであって、自分の流れではありません。
- まだ序盤で立て直す余地が十分あるとき:1ゲーム目の序盤など、自然に修正できる段階で安易に消費すると、本当に苦しい終盤でタイムアウトを使えなくなります。
- なんとなく不安なだけのとき:明確なサインがないまま「とりあえず」で使うのは無駄打ちになりやすいです。先ほどの5つのサインに当てはまるかを基準にしましょう。
タイムアウトは「流れを止める価値が最も高い1回」のために取っておきます。残り回数を意識して、本当に苦しい場面まで温存する意識が勝敗を分けます。
魔法の1分の使い方|3ステップ+直後の1本目の取り方

1分間は、ただ休むのではなく手順を決めて使います。次の3ステップを順番にこなすだけで、頭が真っ白な状態から立て直せます。
- 深呼吸をする
まず脳に酸素を送り、パニックを鎮めます。焦ったままでは的確な判断ができません。深呼吸で緊張を抜くコツは、1分間の過ごし方で緊張を鎮める5秒ルーティンも参考になります。
- 水を一口飲む
水分を取る動作をルーティンにすると、いつもの冷静な自分に戻りやすくなります。
- 「次の1点」の出し方だけ決める
一気に逆転しようと考える必要はありません。「次はフォア前へ短くサーブを出す」など、具体的な行動を1つだけ決めてコートに戻ります。
さらに一歩進めたいなら、タイムアウト直後の1本目をどう取るかまで決めておきましょう。流れを止めた直後の1球は、相手も「来た球を変えてくる」と警戒しています。だからこそ、サーブのコースや長短をそれまでと変えて相手の予測を外すのが効きます。例えば、短いサーブを待たれているなら、練習してきたロングサーブを選ぶ方法があります。変化を付けることだけを目的にせず、相手の待ち方と自分の成功率から次の1球を決めてください。また、1分を使い切らずに早めにコートへ戻り、相手より先に集中を整えておくのも有効な一手になります。
実力で負けたのではなく、整理不足で自滅するのはもったいないことです。タイムアウトは技術ではなく、判断力と段取りで勝ち筋を残すための武器です。
相手の勢いを止める一手として使えるようになったら、相手のメンタルを揺さぶる戦術まで踏み込むと、流れを止める技術がさらに深まります。
メディカルタイムアウト(MTO)との違い
「タイムアウト」と混同しやすいのが、メディカルタイムアウト(MTO)です。これは主に偶発的な事故による負傷などで試合を一時中断する扱いで、1回1分の作戦タイムとはまったく別枠になります。
- 通常のタイムアウト:作戦・休憩のための1試合1回・1分の作戦タイム。
- メディカルタイムアウト(MTO):怪我などへの応急処置のための中断。国際卓球連盟の競技規則3.4.4.4では、事故で一時的にプレーできない場合に、審判長が実行可能な最短時間で最大10分まで認める扱いです。通常の疲労やけいれん、試合前からあった症状などは、この緊急中断の対象にはなりません。
つまり、足をひねった相手が長く中断していても、それは自分の作戦タイムを使ったわけではありません。MTOと通常タイムアウトは目的と時間枠の両方が別物だと覚えておけば、試合中に混乱せずにすみます。
タイムアウトが効きにくい場面と促進ルール
長期戦になると関わってくるのが「促進ルール」です。1ゲームが開始から10分経っても終わらない場合(双方の得点が一定数に達していないとき)、このルールが適用され、レシーバーが13回返球すると得点になる仕組みに切り替わります。守りが強い相手との消耗戦では、ここまで長引く前に流れを動かしておきたいところです。
そのため、決着が長引きそうな試合では、終盤まで温存するより早めにタイムアウトを使って主導権を取りに行く判断も選択肢になります。観戦するときも、競った試合で選手がいつTの字を出すかに注目すると、流れの読み合いが見えてきて面白いでしょう。
よくある質問
卓球のタイムアウトは1試合に何回、何分取れますか?
1試合につき1回だけ、1分以内で取得できます。個人戦は選手・ペアまたは指定助言者、団体戦は選手・ペアまたはチームキャプテンが要求でき、合計で1回までです。要求はラリーが終わった直後に、審判へ両手で「T」の字を示して行います。シングルスとダブルスのどちらでも回数と時間のルールは同じです。
メディカルタイムアウトと普通のタイムアウトは何が違いますか?
普通のタイムアウトは1回1分の作戦タイムで、流れを変えたり助言を受けたりするために使います。メディカルタイムアウト(MTO)は事故による負傷などで一時的にプレーできない場合に審判長が認める中断で、国際規則では実行可能な最短時間かつ最大10分です。通常の疲労やけいれんを理由に取得できるわけではありません。作戦のために使える1回1分のタイムアウトとは、目的と枠の両方が別物です。
ダブルスでのタイムアウトの取り方は?
ダブルスでもルールは同じで、1試合に1回・1分です。ペアのどちらか1人、または個人戦の指定助言者、団体戦のチームキャプテンが審判へ「T」の字でアピールして取得します。ペアどちらが要求しても使えるのは合計1回なので、2人で意思を合わせ、ここぞという場面で取ることが大切です。
相手がタイムアウトを取ったとき、自分はどう過ごせばいいですか?
相手が取得した場合も、その中断中に休憩や作戦の確認ができます。ただし1分間が必ず確保されるわけではなく、要求した選手・ペアの準備が整うか、1分が経過した時点の早い方で再開します。相手のペースに飲まれないよう、水分補給で気持ちを落ち着け、次の1点で何をするかを1つだけ決めてコートに戻りましょう。相手はタイムアウト直後にサーブを変えてくることが多いので、来る球を決めつけすぎないのがコツです。
タイムアウトを取らないほうがよい場面はありますか?
あります。使えるのは1試合に1回だけなので、自分が良い流れに乗っているときや、まだ序盤で立て直す余地が十分にあるときに安易に使うと、本当に苦しい終盤で温存できなくなります。タイムアウトは「同じミスが続いたとき」「相手に連続得点されたとき」「9-9などの終盤で考えを整理したいとき」など、流れを止める価値が高い場面に取っておくのが効果的です。
まとめ
タイムアウトを取るのは、恥ずかしいことでも弱気な行動でもありません。どうすれば勝てるかを最後まで考えている証拠です。
- タイムアウトは1試合に1回・1分間だけ取れる作戦タイム。取り方は両手で「T」の字
- 選手・ペアのほか、個人戦の指定助言者、団体戦のチームキャプテンも要求でき、合計で1回まで
- 効くサインは「同じミス3連続」「相手の連続得点」「9-9などの終盤」「序盤で戦術が定まらない」「確実に次の1点が欲しい」の5つ
- 自分が良い流れのときや序盤での安易な消費は避け、残りの1回を温存する
- 1分は「深呼吸をし、水分を取り、次の1点だけ決める」の3ステップで使い、直後の1本目はサーブを変えて相手の予測を外す
- メディカルタイムアウト(MTO)は怪我対応の別枠で、1回1分の作戦タイムとは別物
それでもタイムアウトで立て直せず心が折れかけたときは、試合で心が折れかけたときの立て直し方が次の一手になります。次の試合では、勇気を出して「T」の字を作ってみてください。その1分間が、流れを変えるきっかけになるはずです。
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