卓球サーブのトスは何cm?高く上げる理由と反則にならない出し方

卓球サーブのトス16cmと反則にならない出し方を示したキービジュアル
目次

この記事の要約

卓球のサーブでは、ボールを手のひらから16cm以上上げる必要がありますが、審判が確認するのは高さだけではありません。開いた手のひらに静止させたか、ほぼ垂直に上げたか、トスから打球までボールが見えていたかも判定の対象です。高いトスは落下速度を利用して回転を強めやすい一方、打点を合わせにくくなります。練習では高さをそろえ、横と相手側から動画を撮って上昇幅やボールの隠れを確認します。

この記事でわかること

反則を避ける要点は、審判と相手に「正しいトスだと見せる」ことです。高く上げたつもりでも、手から転がしたり、体の内側へ投げたりすれば、軌道を確認しにくくなります。まずは次の3点をそろえてください。

  • 開いて静止させた手のひらに、ボールを自由に載せる
  • 回転を与えず、ほぼ垂直に16cm以上上げる
  • トスした直後にフリーハンドをどけ、ボールを隠さない
開いた手のひらの中央にボールを静止させてサーブの開始姿勢を確認する女性

卓球サーブのトスは16cm以上必要

国際卓球連盟の2026年競技規則では、ボールがフリーハンドの手のひらを離れてから16cm以上上昇し、何にも触れずに落下したところを打つよう定めています。日本国内の大会は、日本卓球協会が制定する日本卓球ルールに従います。日本卓球協会は、日本卓球ルールが国際卓球連盟のルールに日本独自の規定を加えたものだと説明しています。

16cmは、床からの高さでも、打球位置までの距離でもありません。ボールが手のひらを離れた位置から、軌道の頂点までに上昇した距離です。ボールを持った手そのものを上へ動かした距離は含まれません。

ネットの高さは15.25cmなので、大きさを思い浮かべる目安にはなります。ただし、試合中にネットと並べて測るわけではありません。余裕を持ってネットより少し高い上昇幅を作ると、16cm未満に見える危険を減らせます。

16cmぴったりを狙わない

練習で毎回16cmぎりぎりを狙うと、少し低くなっただけで規定を満たせません。さらに、審判から高さを確認しにくいトスになります。最初は25cmから30cmほどを練習の目安にし、同じ高さへ安定して上げるほうが安全です。この数値は競技規則上の義務ではなく、16cmを確実に超えるための練習目安です。

卓球台に固定した目盛りのない高さガイドでトスの練習幅を確認する女性

トスの高さに上限は定められていません。天井や照明など競技環境に支障がなく、ほかの要件も守っていれば、高く上げること自体は反則ではありません。

審判はトスのどこを見ているのか

正しいサーブかどうかは、動作を分解すると判断しやすくなります。審判から見た確認点は「開始時」「上昇中」「落下から打球まで」の3段階です。

段階 審判が確認する点 誤解されやすい動作
開始時 開いた手のひらが静止し、ボールが自由に載っているか 指でつまむ、手を動かしながら始める
上昇中 回転を与えず、ほぼ垂直に16cm以上上がったか 手から転がす、体側へ斜めに投げる
落下から打球まで ボールが台面より上、エンドラインより後ろにあり、相手から見えるか 腕、肩、頭、服で隠す

競技規則は、サーバーに「審判または副審が正しいサービスだと確認できるように出す責任」を課しています。そのため、自分の感覚で正しくできているだけでは不十分です。審判の位置から開始姿勢、上昇幅、ボールの軌道が見える形を作る必要があります。

手のひらは平らでなくてもよいが、開いて静止させる

競技規則の表現は「静止したフリーハンドの開いた手のひら」です。ボールを指で固定したり、指先に挟んだりしてはいけません。手のひらを器のように深く丸めると、ボールを隠したり、指で回転を与えたりしたように見えやすくなります。

指を自然に伸ばし、手のひらの中央へボールを載せて一度止まります。相手側と審判側の両方から、ボールと手のひらの境目が見える向きにすると確認しやすくなります。

ほぼ垂直とは真上から一切ずれてはいけない意味ではない

規則は「垂直」ではなく「ほぼ垂直」に上げることを求めています。ただし、打ちやすい位置へ大きく投げ込む行為を認める表現ではありません。横方向への移動が目立つほど、審判は適法なトスだと確認しにくくなります。

練習では、手のひらを離れた位置と落下位置を床や台の線に合わせて見ます。ボールが体の内側へ流れる場合は、肘を振り上げず、前腕と手のひらを真上へ向ける動作に直してください。

トスした直後にフリーハンドをボールとネットの間から外す

ボールを上げた後もフリーハンドや腕を残すと、相手からボールが見えません。競技規則では、トスしたらすぐにフリーアームとフリーハンドを、ボールとネットの間の空間から外すよう定めています。

腕を真下へ引くだけで体の前に残る場合は、腰の外側へ逃がします。打球時だけ見えていても足りません。サーブ開始から打球まで、体、ダブルスのパートナー、身につけている物を含め、相手からボールを隠さないことが必要です。

「手から転がす」「体で隠す」はどう見えるのか

初心者が迷いやすい動作は、違反名を暗記するより、ボールの軌道が審判からどう見えるかで整理すると修正しやすくなります。

手から転がすと開始位置と上昇幅が分かりにくい

指先へ向けてボールを転がしてから放すと、どこで手のひらを離れたのかが曖昧になります。横方向の勢いが加わり、ほぼ垂直なトスにも見えにくくなります。指で押し出せば、トス自体に回転を与えた疑いも生じます。

ボールは手のひらの中央へ載せ、いったん静止してください。手首を返さず、手のひら全体を下から持ち上げるように放すと、離れた位置が明瞭になります。

体の内側へ上げると肩や頭に隠れやすい

ボールを胸や顔の前へ投げ込むトスは、自分には見やすくても、相手からは肩、頭、胴体と重なりやすくなります。横向きに構える選手は、相手側から動画を撮って確認してください。正面から見てボールが体の輪郭へ入る瞬間があれば、外側へトス位置を移します。

台の下から始めると高さを満たしても反則になる

サーブ開始から打球まで、ボールは台面の高さより上、サーバー側のエンドラインより後ろになければなりません。低い位置から大きく上げて16cmを超えても、開始位置が台面より下なら正しいサーブにはなりません。エンドラインは左右へ無限に延長されるものとして扱われるため、台の横から出す場合も線より後ろにボールを置きます。

ボールを高く上げる理由と高すぎるトスの注意点

16cmを大きく超えるトスは、投げ上げサーブとも呼ばれます。高さを増やす主な狙いは、落下するボールの速さを利用して、打球時の回転や速度を高めることです。同じフォームでも、落下が速いほど接触のタイミングと力加減は難しくなります。

サーブの種類と習得順を確認すると、投げ上げサーブをほかのフォームや回転と区別しやすくなります。 回転のかけ方まで練習する場合は、サーブの基本と回転別の打ち方も役立ちます。

高く上げる利点

  • 落下速度を利用し、強い回転を作りやすくなる
  • 通常のトスと高さを変え、相手の待つタイミングをずらせる
  • 16cm未満と判断される危険を避けやすい

ただし、高いほど有利になるわけではありません。頂点が高くなるほど落下地点のずれが広がり、打点を合わせにくくなります。視線も大きく上下するため、照明が視界に入る会場では再現性が落ちます。初心者は、規定を確実に満たす中程度の高さを毎回そろえることを優先してください。

トスから打球までの手順を下回転サーブで固めたい場合は、下回転サーブのやり方とコツで、打点の高さと回転のかけ方を確認できます。

反則になりにくいトスを作る練習法

台にボールを入れる練習とは分けて、最初はトスだけを確認します。ラケットを持たずに行うと、手のひらと軌道へ集中できます。

卓球台の反対側に置いたスマートフォンでトスの見え方を確認する女性

1人で行う3段階練習

  1. 手のひらの中央にボールを載せ、1秒静止します。
  2. 25cmから30cmほど真上へ上げ、同じ手で受けます。
  3. トス直後に腕を腰の外側へ引き、落下するボールが体に隠れないか動画を使って確認します。

壁の前で行い、ボールの頂点に目印を置くと高さのばらつきが分かります。横からの映像では上昇幅とエンドライン、相手側からの映像では体や腕による隠れを確認してください。一方向の映像だけでは、奥行き方向への斜めトスを見落とします。

審判役に見てもらうチェック項目

練習相手には、回転やコースではなく次の4点だけを見てもらいます。

  • サーブ開始時に手とボールが一度止まったか
  • ボールが手のひらから直接上へ離れたか
  • 16cmを余裕を持って超えたように見えたか
  • 開始から打球までボールが一度も隠れなかったか

「たぶん正しい」ではなく、4点すべてが明瞭に見えるまで位置を調整します。試合全体のサーブ規則も確かめたい場合は、初心者向けの卓球基本ルールで得点やサーブ権と合わせて確認できます。

公式規則の確認先

規則改定に備え、試合前には日本卓球協会の競技規則を確認してください。国際規則の原文は国際卓球連盟の2026年競技規則の第2章6節に掲載されています。

よくある質問

卓球サーブのトスは最低何cmですか?

手のひらを離れた位置から16cm以上上昇させます。床や台から測る高さではなく、ボールの上昇幅です。16cmぎりぎりでは判定しにくいため、余裕を持たせてください。

トスを高く上げすぎると反則ですか?

競技規則に高さの上限はありません。ほぼ垂直に上げて回転を与えず、落下中に打ちます。ボールを隠さないなど、ほかの条件も満たせば高いトスが認められます。

ボールを手のひらから転がして上げてもよいですか?

避けるべき動作です。開始位置が曖昧になり、横方向の勢いや回転を与えたように見えます。開いた手のひらの中央に自由に載せ、一度静止してから直接上へ投げます。

トスが少し斜めでも反則ですか?

規則は「ほぼ垂直」を求めています。わずかなずれだけで直ちに反則になるとは限りませんが、体側へ大きく投げ込むトスは適法だと確認されにくくなります。手を離れた位置の近くへ落ちる軌道を目指してください。

トスしたボールは上がっている途中で打てますか?

打てません。ボールが16cm以上上がり、頂点を過ぎて落下している間に打ちます。上昇中の打球は正しいサーブになりません。

トスの瞬間にボールを指で押してもよいですか?

指で押すと回転や横方向の勢いを与えやすいため、正しいトスと確認されにくくなります。手首や指先で弾かず、開いた手のひらを下から持ち上げて放してください。

腕でボールが一瞬隠れた場合も反則ですか?

サーブ開始から打球まで、相手からボールを隠してはいけません。トスしたらすぐにフリーアームとフリーハンドをボールとネットの間から外し、相手に軌道全体を見せます。