SUMMARY
この記事の要約
卓球のレットとは、ラリーの結果を得点に数えずやり直す判定で、正しいサーブがネットに触れて相手コートへ入ったときが代表例です。ラリー中のネットインや台の上面のエッジは有効ですが、垂直な側面だけに当たればサイドとなり、打った側の失点です。インプレー中に体が台に触れても、台を動かさなければ直ちに失点ではありません。ただし、ラケットを持たない手が台面に触れると失点です。偶然の二度当たりはそれだけで反則にならず、タイムアウトは1試合に1回、1分以内で取れます。
この記事でわかること
試合中に迷ったら、まず「続行」「やり直し」「どちらかの得点」を切り分けます。対象は主に立位の硬式卓球です。車いすの選手が出場する場合には、サービスのレットやダブルスの打球順などに特別な規定があります。
| 場面 | 判定 |
| 正しいサーブがネットに触れて入る | レットでやり直し |
| ラリー中の球がネットに触れて入る | 有効。ラリー続行 |
| レシーバーが構えていないうちにサーブされる | 条件を満たせばレット |
| 外部の妨害で返球できない | 審判が止めればレット |
| 球が台の上面の角に当たる | エッジで有効 |
| 球が台の垂直な側面に当たる | サイドで打った側の失点 |
| 球がネットの支柱に触れて相手コートへ入る | ラリー中なら有効 |
| 自コートにまだ触れていない球を、台面の上または台へ向かう途中で体や服で止める | 原則として妨害。ネットサービスの例外は本文参照 |
| 自コートに触れずエンドラインを越えた球に触れる | 妨害ではなく、打った側の失点 |
| インプレー中にラケットを持たない手が台面に触れる | 触れた側の失点 |
| インプレー中に体が台に触れる | フリーハンドの台面接触を除き、台を動かさなければ直ちに失点ではない |
| インプレー中に体やラケットがネット装置に触れる | 触れた側の失点 |
| 一度の動作で偶然二度当たりする | 故意でなければ有効 |
| ラケットを持つ手の手首より先で打つ | 有効な返球になり得る |
| タイムアウトを要求する | ラリー間に1試合1回、1分以内 |
日本国内の大会は、大会要項に別の定めがない限り、日本卓球協会の日本卓球ルールに基づいて進みます。日本卓球協会は、国内規則が国際卓球連盟の規則に日本独自の規定を加えたものだと説明しています。判定の根拠は、日本卓球協会の競技規則、日本卓球協会の基本ルール、国際卓球連盟の現行規則で確認できます。
大会では審判の判定に従います。仲間内の試合なら、この早見表を試合前に共有しておくと、ラリー後の言い争いを防ぎやすくなります。
卓球のレットとは?得点せずにやり直す判定

レットは「相手の得点」でも「自分の得点」でもありません。そのラリーを得点に数えずにやり直します。ネットサービスのレットなら、同じサーバーが再びサーブを出し、回数に上限はありません。サービス順の誤りを訂正するための中断では、正しいサーバーから再開します。
ネットに触れた球がすべてレットになるわけではありません。サーブとラリーで扱いが違う点が、最も大きな勘違いです。
1.正しいサーブがネットに触れて入ったらレット
サーブがネットや支柱に触れたあと、正しく相手コートへ入った場合はレットです。得点は動かさず、同じサーバーがやり直します。シングルスでは相手コートに入り、ダブルスでは相手側の正しい右半面に入ることが前提です。
誰にも触れず相手コートを外れたなら、ネットに触れていてもレシーバー側の得点です。ただし、ネットに触れたサービスの球をレシーバーやそのパートナーが妨害した場合も、レットの規定があります(ITTF 2.9.1.1)。「入る前に触れたら必ずレシーバーの失点」とは限りません。
トスが低い、ボールを隠したなど、サービス動作自体が反則と判定された場合は、ネットに触れたことだけを理由にやり直しにはできません。
2.ラリー中のネットインは有効
レシーブ以降の返球がネットや支柱に触れ、そのまま相手コートへ入った場合は有効です。レットではなく、ラリーを続けます。急に軌道が変わって返せなければ、最後に正しく返球した側の得点です。
覚え方は「サーブのネットインはやり直し、ラリーのネットインは続行」です。ネットに触れた音だけでプレーを止めないでください。
3.レシーバーが準備できていないときは条件つきでレット
レシーバーが準備できていないうちにサーブが出された場合、受ける選手とダブルスのパートナーが打とうとしていなければレットです。手を上げる、構えを解くなど、準備できていないことを早めに示します。
レシーバーが反射的にラケットを振り、返球を試みた場合は「準備できていなかった」という理由でのレットになりません。サーバー側も、相手が構えたことを確かめてから始めると不要な中断を防げます。
4.外から球が入るなど、自分で避けられない妨害はレット
隣の台から球が転がり込む、人が競技領域へ入る、照明が消えるといった出来事がラリーへ影響することがあります。選手が制御できない出来事なら、審判がプレーを止めてレットにできます。単に観客の声が気になった、相手の打球に驚いたというだけで、自動的にやり直しになるわけではありません。
危険を感じた場合は無理に続けず、審判の合図に従います。選手同士だけで得点を変えず、審判がいる試合では判断を任せてください。
エッジとサイドはどちらの得点?
エッジとサイドの境目は、白線ではなく「台の上面か、垂直な側面か」です。白いサイドラインとエンドラインは上面に引かれているため、その線に触れた球も有効です。
5.台の上面の角に当たった球はエッジで有効
相手の打球が台の上面にある角やふちへ触れたら、エッジボールとして正しい返球です。球が低く外へ跳ねても、上面に触れていればラリーは成立します。返せなければ、打った側の得点です。
見分ける手掛かりは、球の進行方向と当たった後の跳ね方です。上から落ちてきた球が角に触れて上向きや横向きに変化した場合は、エッジの可能性があります。ただし、最終判定は審判が見た接触位置によります。
6.垂直な側面に当たった球はサイドで打った側の失点
卓球台の垂直な側面は競技面に含まれません。球が上面へ触れず側面だけに当たった場合はサイドで、返球は失敗です。受ける側の得点になります。
横から飛んできた球が側面に当たり、下向きに落ちる場面はサイドと判断する手掛かりになります。音だけでは決めにくいため、審判は球の軌道と接触位置を見ます。
7.支柱に触れてから入った返球は有効
ラリー中の返球は、ネット本体だけでなく支柱に触れてから相手コートへ入っても有効です。ネット装置にはネット、つり具、支柱、台への固定器具が含まれます。
ただし、球がネットを突き抜けた場合や、ネットと支柱の間、ネットと台面の間を通り抜けた場合は失点です。支柱の外側を回り込む返球とは区別します。外側を通る球はネットより低い軌道でも、それ以外の条件を満たして相手コートへ入れば有効です。
体・手・ラケットが関わる迷いやすい判定
球や台へ体が触れた場面は、「ラリー中か」「どの部位が、どこに触れたか」「台が動いたか」を確認します。ネット装置は、動かさなくても触れただけで失点になる点に注意してください。
8.台面の上や台へ向かう球を、バウンド前に止めたら妨害
相手が打った球がまだ自分のコートに触れず、台面の上にあるか台面へ向かっている途中で、体、服、持ち物などに触れた場合は妨害です。妨害した側が失点します。台の外側に立っていても、球が台へ向かう途中なら同じです。
入る確率の予測ではなく、接触時に球が台面の上にあるか、台面へ向かっているかを見ます。境界が分かりにくい球は捕らずに見送ると、判定を誤りにくくなります。ネットに触れたサービスを妨害した場合は、前述のレットの規定も確認します。
上から見ると台へ向かっていても、すでに台面より低い位置へ下がって進む球は別です。日本卓球協会の公式FAQでは、この球に触れても妨害にならないと説明しています。平面上の方向だけでなく、台面に対する球の高さも確認します。
9.球がエンドラインを越えてから触れても妨害ではない
相手の打球が自分のコートに触れないままエンドラインを越えた後なら、その球に触れても妨害ではありません。この時点で相手の返球は台を外れているため、自分の得点です。
ここでいうエンドラインは、左右へ無限に延びるものとして扱われます。台の横に立っているときも、球がエンドラインを越えたかを基準にします。境目が微妙な球は触らずに見送ると判定が明確になります。
10.ラケットを持たない手が台面に触れたら失点
ラリー中にフリーハンド、つまりラケットを持っていない側の手首から先が台の競技面へ触れると失点です。転びそうになって手をついた場合も変わりません。
球がすでに得点またはレットと判定され、ラリーが終わった後に手をつくことは、この反則には当たりません。大切なのは球がインプレーの間に触れたかどうかです。
11.体が台に触れても、台を動かさなければ直ちに失点ではない
腰、脚、ラケットを持つ手などが台へ触れただけでは、フリーハンドが触れた場合と同じ反則にはなりません。ただし、選手や身につけている物が台を動かすと失点です。
体が触れてもよいからといって、台へ寄りかかるのは避けてください。わずかな接触でも台が動けば判定が変わります。また、大会の設備を傷つけるおそれもあります。
12.体やラケットがネット装置に触れたら失点
球がインプレーの間に、選手の体、服、ラケットなどがネット、支柱、固定器具へ触れると失点です。打球後の勢いでラケットがネットへ当たった場合も、ラリーがまだ終わっていなければ反則になります。
台への接触と混同しやすい点です。体が台へ触れただけなら台を動かしたかなどを確認しますが、ネット装置への接触はそれ自体が失点条件です。
13.一度の動作で偶然二度当たりしても有効
現在の規則で失点になるのは、相手が球を故意に続けて複数回打った場合です。一度のスイングで球が指に触れてからラケットへ当たるなど、意図しない二度当たりは、それだけで失点にはなりません。返球が相手コートへ入ればプレーを続けます。
一度当てた球を、落ちそうだからもう一度打つ行為は故意の連続打球です。これは相手の得点になります。
14.ラケットを持つ手の手首より先で返しても有効
ラケットを持つ手の手首より先は、規則上の打球に使えます。球が指や手の甲に当たって相手コートへ正しく返れば有効です。ラケットを持っていない手で打つと、正しい返球にはなりません。
ラケットを左右の手へ持ち替えること自体は禁止されていません。ラケットを持つ手がラケットハンド、持っていない手がフリーハンドです。日本卓球協会の公式FAQでは、打球時にラケットを握っていれば、両手で持って打つことも認めています。
タイムアウトの取り方と判定

15.タイムアウトはラリー間に1試合1回、1分以内
選手またはペアは、1試合につき1回、1分以内のタイムアウトを要求できます。ここでの1試合は、団体戦全体ではなく、その中の各シングルスやダブルスも含む個々の対戦です。1ゲームごとに1回ではありません。
要求できるのはゲーム中のラリーとラリーの間です。両手で「T」の字を作って示します。要求した側が1分より早く準備できた場合は、その時点で再開します。
個人戦では、選手かペアのほか、指定された助言者も要求できます。団体戦では、選手かペアのほか、チームの監督も要求できます。選手と助言者の意見が食い違った場合、個人戦は選手またはペア、団体戦は監督の判断が優先されます。両者が同時に要求した場合は、双方がその試合の1回を使った扱いです。
試合中に判定で揉めないための3つの動き

球を止める前に審判の合図を待つ
ネットインやエッジだと思って自分からラリーを止めると、判定が違った場合に返球の機会を失います。危険がない限りプレーを続け、審判の合図を待ちます。審判のいない練習試合では、始める前にレットやエッジの扱いを共有してください。
事実と規則の解釈を分ける
「球が上面に触れたか」は事実の判定、「上面に触れた球は有効か」は規則の解釈です。担当審判の事実判定を、選手同士の合意で変えることはできません。
ITTF規則では、規則の解釈に対する異議は審判長へ申し立てることができます。申し立てるのは、個人戦ならその試合の選手、団体戦ならチームの監督です。事実判定への異議とは扱いが違います。映像判定のTTRを採用する大会には専用の手続きがありますが、通常の大会で選手のスマートフォン映像を使って判定を覆せるという意味ではありません。
大会要項も試合前に読む
競技規則に加え、大会ごとに試合方式、ベンチへ入れる人、進行方法などが定められます。とくにダブルスはサーブのコースと打球順でも失点が起きるため、試合前にペアで確認してください。
ダブルスのサーブの向きや打つ順番は、卓球ダブルスのルールと動き方の早見表で確認できます。
よくある質問
卓球のレットとは何ですか?
ラリーの結果を得点に数えず、やり直す判定です。正しいサーブがネット装置に触れて正しいコートへ入った場合や、レシーバーが準備できておらず打とうとしなかった場合などが該当します。
サーブがネットに何回触れたら相手の得点になりますか?
正しいサーブがネットに触れて正しいコートへ入る限り、レットの回数に上限はありません。ネットに触れた後、誰にも触れずに相手コートを外れた場合はサーバーの失点です。ただし、ネットに触れたサービスの球をレシーバーやそのパートナーが妨害した場合にも、レットの規定があります。サービス動作自体が反則と判定された場合は、ネットに触れたことだけを理由にやり直しにはできません。
ラリー中のネットインはやり直しですか?
やり直しではありません。ネットや支柱に触れても相手コートへ正しく入れば有効で、そのままラリーを続けます。
エッジとサイドはどう見分けますか?
台の上面に触れた球がエッジ、垂直な側面だけに触れた球がサイドです。エッジは有効で、サイドは打った側の返球ミスになります。白線は上面の一部なので、白線に触れた球は有効です。
台にラケットを持つ手が触れたら失点ですか?
触れただけで直ちに失点とは限りません。インプレー中にフリーハンドが台面へ触れたり、体や持ち物で台を動かしたりすると失点です。ラケットを持つ手でも、インプレー中にネット装置へ触れれば失点になります。
卓球の二度打ちはすべて反則ですか?
すべてではありません。故意に続けて複数回打つと失点ですが、一度のスイング中に偶然二度当たりしただけなら、そのことだけで失点にはなりません。
タイムアウトは誰が何回取れますか?
選手またはペアにつき、1試合で1回、1分以内です。団体戦では個々のシングルスやダブルスごとで、1ゲームごとではありません。個人戦は選手・ペア・指定された助言者、団体戦は選手・ペア・監督が要求できます。ゲーム中のラリー間に、両手で「T」の字を示します。