SUMMARY
この記事の要約
松島輝空選手のラケットは「樊振東 ALC」、フォア面のラバーは「ディグニクス09C」、バック面は「ザイア03」です。3点ともバタフライの製品で、バタフライ公式の選手ページに2025年10月1日現在の用具として掲載され、面の割り当ては本人がインタビューで語っています。本稿は2026年10月22日に確認した公式情報だけをもとに、各用具の仕様と本人が語る選んだ理由、公式ページの過去の掲載から分かる用具の変遷、同じ組み合わせをそろえる前の判断材料を整理しました。
この記事でわかること
松島輝空選手は、2026年10月5日発表の世界ランキングで1位になり、日本選手としては46年ぶりの1位と報じられています。順位の仕組みや推移は卓球の世界ランキングの見方にまとめています。日本代表のほかの選手の用具は日本代表選手のラケットとラバー一覧で確認できます。
松島輝空選手の使用ラケット・ラバー一覧
松島輝空選手の用具は、樊振東 ALC にフォア面ディグニクス09C、バック面ザイア03の組み合わせです。価格はラケットがメーカー希望小売価格、ラバー2枚はオープン価格のため公式通販の表示で示します(いずれも2026年10月22日確認)。
どちらの面にどのラバーを貼っているかを、そろえる前に押さえておきましょう。
| 部位 |
用具 |
メーカー |
価格(税込) |
情報源 |
| ラケット |
樊振東 ALC |
バタフライ |
19,800円 |
公式選手ページ |
| フォア面 |
ディグニクス09C |
バタフライ |
10,450円(公式通販) |
公式選手ページ+本人談 |
| バック面 |
ザイア03 |
バタフライ |
14,300円(公式通販) |
公式選手ページ+本人談 |
公式の選手ページには3製品の名前が並んでいるだけで、どちらの面に何を貼っているかは書かれていません。フォアとバックの区別は、バタフライの公式メディアである卓球レポートに2026年3月5日に掲載された本人インタビューで確認しました。
フォア面のラバーはディグニクス09Cで、バック面がザイア03、ブレードが樊振東 ALCです。
出典:全日本卓球男子シングルス2連覇 松島輝空インタビュー(後編)|卓球レポート
公式ページの掲載日と確認日
本稿には2種類の日付が出てきます。「2025年10月1日現在」はメーカーが選手ページの用具欄を更新した時点で、「2026年10月22日」はその内容を確認した日です。
掲載日は「今日も使っている」の保証ではない
公式ページの掲載日は、その日に用具を変えたという意味でも、今日の試合で同じ用具を使っているという意味でもありません。インタビューも2026年3月時点の発言です。購入の直前には、公式の選手ページの掲載日と用具名をもう一度見てください。
ラケット|樊振東 ALC
公式の仕様と価格
樊振東 ALC は、中国の樊振東選手の名前を冠した攻撃用シェークラケットです。2022年9月1日に発売され、木材5枚にアリレート カーボン2枚を組み合わせた構成です。製品ページでは「『ビスカリア』仕様の合板構成」と説明されています。
重さと厚さを、今使っているラケットの数値と比べてみましょう。
| 項目 |
公式の値 |
| 合板構成 |
木材5枚+アリレート カーボン2枚 |
| 厚さ |
5.8mm |
| ブレードサイズ |
157×150mm |
| 平均重量 |
88g |
| 反発特性/振動特性 |
11.8/10.3 |
| グリップ |
FL・ST |
| 希望小売価格 |
19,800円(税込) |
製品説明には「しなやかさと使いやすさ、そして弾みの良さゆえに攻守のバランスに優れています」とあります。なお、樊振東選手が実際に使うラケットだけはグリップエンドのロゴプレートがゴールドだと書かれており、市販品と見た目が少し異なります。
本人が語る選んだ理由
インタビューで、ほかの素材のラケットも試したかを聞かれた松島輝空選手は、次のように答えています。
アリレート カーボンが一番「自分のボールで打てる」というところで選んでいます。
出典:全日本卓球男子シングルス2連覇 松島輝空インタビュー(後編)|卓球レポート
本人は、アリレート カーボンが一番「自分のボールで打てる」と話しています。
フォア面|ディグニクス09C
公式の仕様
ディグニクス09C は、2020年4月1日に発売された粘着性ハイテンション裏ラバーです。表面に粘着性を持たせたシートと、スプリング スポンジXを組み合わせています。製品ページでは「粘着力と弾みを高次元で両立」したラバーとして、回転量の多いドライブやカット、台上技術、カウンターのしやすさが挙げられています。
数値はバタフライ製品どうしで比べるときの目安にしてください。
| 項目 |
公式の値 |
| 種類 |
粘着性ハイテンション裏ラバー |
| スピード/スピン/弧線 |
79/96/96 |
| スポンジ硬度 |
44 |
| 厚さ |
2.1/1.9 |
| 価格 |
オープン価格(公式通販 10,450円) |
性能の数値はバタフライ独自の指標で、各製品ページに「2023年2月より改定」と注記があります。改定前の数値と並べて比べないようにしてください。スポンジ硬度の読み方はラバーの硬度の目安、粘着ラバー全般の特徴は粘着ラバーの選び方で説明しています。
本人が語る09Cの魅力
フォア面に09Cが合っているかを聞かれ、松島輝空選手は「替える予定はないです」と答えたうえで、理由を次のように話しています。
硬いとボールが上に出やすいので、前に振っても怖くないし、いいボールが打てるラバーですね。
出典:全日本卓球男子シングルス2連覇 松島輝空インタビュー(後編)|卓球レポート
同じ回答の中で、自分のフォアハンドは前陣で中国ラバー寄りの打ち方をしていること、09Cは今までで一番硬い打球感のラバーであることも語っています。硬さが、前に振り抜くときの安心感につながっているという説明です。ディグニクスシリーズのほかのラバーとの違いはディグニクスの比較で確認できます。
バック面|ザイア03
公式の仕様
ザイア03 は、2025年10月1日に発売されたハイテンション裏ラバーです。低いツブを密集させた「リコシート」と分厚いスポンジを組み合わせ、製品ページでは「うねるような軌道で相手コート深くに入り込む打球」と説明されています。
| 項目 |
公式の値 |
| 種類 |
ハイテンション裏ラバー |
| シート/スポンジ |
リコシート/スプリング スポンジX |
| スピード/スピン/弧線 |
88/100/96 |
| スポンジ硬度 |
44 |
| 厚さ |
2.7/2.5 |
| 価格 |
オープン価格(公式通販 14,300円) |
09C と比べると、スポンジ硬度は同じ44で、スピードとスピンの数値はザイア03のほうが高く表示されています。製品ページでは「回転量の多いパワフルな打球でラリーを支配したい選手」に勧めています。
フォア面とバック面で違うのはスピードとスピンです。硬さは同じ44です。一度合わなかったザイア03に戻した理由
本人によると、バック面をザイア03に変えたのは、中国スマッシュ2025で梁靖崑選手に勝った2週間前ぐらいからです。以前にも試して合わなかったものの、もう一度使ってみたら成績が出たと話しています。
(ボールが)落ちないラバーというのは分かっていたので、それでもう一度「上に行く感覚」をつかんでみたいなと思って試しました。
出典:全日本卓球男子シングルス2連覇 松島輝空インタビュー(後編)|卓球レポート
最初に使ったときは思ったよりボールが上に行き、調整が難しかったとも振り返っています。そのとき、ザイア03はいいラバーだけど、慣れないと難しいと感じたそうです。
公式ページで振り返る松島輝空選手の用具の変遷
バタフライ公式の選手ページは、これまで何度か「使用用具」欄が更新されてきました。2016年から8回分の掲載を年表にしました。
| 公式の掲載日 |
ラケット |
ラバー(掲載順) |
| 2016年4月1日 |
バタフライ特注(合板) |
フォア:スピンアート バック:テナジー05 |
| 2019年5月20日 |
特注(合板シェーク) |
スピンアート/ディグニクス80 |
| 2020年7月22日 |
特注(アリレート カーボンシェーク) |
ディグニクス09C/ディグニクス80 |
| 2022年1月17日 |
張本智和 インナーフォース ALC |
テナジー05ハード/ディグニクス05 |
| 2022年8月30日 |
張本智和 インナーフォース ALC |
ディグニクス09C/ディグニクス05 |
| 2023年1月18日 |
張本智和 インナーフォース ALC |
ディグニクス05/ディグニクス09C |
| 2024年1月12日 |
樊振東 ALC |
ディグニクス09C/ディグニクス05 |
| 2025年10月1日 |
樊振東 ALC |
ディグニクス09C/ザイア03 |
2016〜2024年の掲載は、公式の選手ページの過去のアーカイブ情報から確認しました。
年表を読むときの2つの前提
- 掲載日は公式ページが更新された日で、用具を変えた日ではありません。
- 面の区別が書かれているのは2016年の掲載だけです。2023年1月の掲載は前後と並び順が逆なので、掲載順をフォア・バックとは読めません。
特注ラケットの時代(2016〜2020年の掲載)
2016年と2019年の掲載では、ラケットはバタフライの特注の合板でした。2020年7月の掲載で特注のアリレート カーボンシェークに変わり、ラバー欄に初めてディグニクス09Cが登場します。09Cは、2022年1月の掲載を除き、2020年から現在までラバー欄に名前があります。
スピンアートやディグニクス80、テナジー05ハードは、当時の掲載に載っていた用具として記録しています。今から同じ用具をそろえる際の候補として挙げるものではありません。
張本智和 インナーフォース ALC の時代(2022〜2023年の掲載)
2022年1月から2023年1月の掲載では、ラケットが張本智和選手の名前を冠した「張本智和 インナーフォース ALC」でした。ラバーはディグニクス09Cとディグニクス05の組み合わせが中心です。特注品から市販の選手名入りモデルへ移ったことが、掲載から読み取れます。
樊振東 ALC にザイア03 を合わせた現在(2024年〜)
2024年1月12日の掲載でラケットが樊振東 ALC になり、ラバーは09Cとディグニクス05が並びました。そして2025年10月1日の掲載で、2枚目のラバーがザイア03に替わり、現在の組み合わせになりました。
樊振東 ALC と近いラケットの違い
名前や素材が似たラケットでは、数値と価格が少しずつ違います。張本智和選手の現在の掲載品と、松島輝空選手が以前の掲載で使っていたモデルを含む4本を、バタフライ公式の製品ページの値で比べました。
張本智和選手のラケットとの違い
張本智和選手の公式選手ページに掲載されているのは「張本智和 インナーフォース SUPER ALC」です。松島輝空選手の樊振東 ALC とは別の製品で、素材の配置が違います。
バタフライの説明では、特殊素材を表面の板の隣に置く設計を「アウターファイバー」、中央の板を挟むように置く設計を「インナーファイバー」と呼びます。インナーファイバーは、アウターファイバーよりもボールをつかむ感覚をもたらすと説明されています。張本智和選手のモデル2本は仕様欄に「インナーファイバー」と明記され、樊振東選手のモデル2本には書かれていません。
数値で見ると、樊振東 ALC は反発特性11.8で、張本智和 インナーフォース SUPER ALC の11.4より高く表示されています。ブレードサイズも、張本智和選手のモデルは158×152mmで、樊振東 ALC の157×150mmよりわずかに大きくなっています。
SUPER ALC との違い
樊振東 SUPER ALC は、スーパー アリレート カーボンを搭載したモデルです。反発特性は12.1で樊振東 ALC の11.8より高く、価格は5,500円高い25,300円です。松島輝空選手の公式掲載品は、SUPER の付かない樊振東 ALC のほうです。購入するときは、製品名の「SUPER」の有無まで確認してください。
同じ組み合わせを使う前に知っておきたいこと
そろえたときの金額
公式の価格はラケット19,800円、ディグニクス09C 10,450円、ザイア03 14,300円です。3点の合計は税込44,550円です。
- ラケットはメーカー希望小売価格、ラバー2枚はオープン価格のため公式通販の表示(2026年10月22日確認)で計算しています。
- ラバーの貼り付け代や送料は含めていません。
- 店頭の販売価格やセット価格とは異なる場合があります。
同じ組み合わせを選ぶ前の判断材料
この組み合わせは、特殊素材のラケットにスポンジ硬度44のラバーを両面に貼る構成です。合うかどうかを判断する材料として、公式の仕様と本人の発言から分かることを整理します。
- 両面ともスポンジ硬度44のラバーです。本人は09Cを「今までで(打球感が)一番硬いラバー」と話しています。
- フォアの09Cは粘着性で、本人は前陣で中国ラバー寄りの打ち方をしていると話しています。
- バックのザイア03は、本人も最初は上に行きすぎて調整が難しく、「慣れないと難しい」と感じたラバーです。
- ラケットの平均重量88gはラケット単体の値です。ラバー2枚を貼ると重くなります。
買う前に確認したいこと
- 硬いラバーで、今と同じように回転をかけられるか
- ラバーを貼った後の重さで、ラリー中に振り遅れないか
- ラケットとラバーを一度に替えず、1か所ずつ替えても目的を果たせるか
同じ用具を使うことで、同じように打てたり上達が早くなったりすることは保証されません。今の用具でうまくいかないプレー、たとえば「ドライブがネットにかかる」「バックハンドが浮く」などをはっきりさせてから、どの用具を替えるかを決めると失敗しにくくなります。
同じ系統で扱いやすいものから始める
憧れの選手と同じものを使いたい気持ちは大切にしつつ、扱いきれるかに不安があるなら、同じメーカーの近い系統から選ぶ方法もあります。ラケットの候補はバタフライのおすすめラケット、ラバーはレベル別のおすすめラバーで、硬さや弾みを比べながら絞り込めます。
記事によって用具の情報が違うのはなぜか
松島輝空選手の用具を調べると、記事によって書いてあることが違う場合があります。主な理由は次の3つです。
- 掲載時点が違う:公式の掲載は数年で何度も更新されています。古い時点の情報が、更新されないまま残っていることがあります。
- 面の割り当ての情報源が示されていない:公式の選手ページには面の区別がありません。フォアとバックを書いている記事でも、情報源を示していないものがあります。
- 「以前の用具」の出典が分からない:公式の過去の掲載と一致しない変遷が書かれていることがあります。
公式の選手ページを見るときは、用具名だけでなく「○年○月○日現在」の掲載日を確認しましょう。日本代表のほかの選手もメーカー公式の掲載日つきで整理した選手の使用用具一覧があります。
よくある質問
松島輝空選手のフォアとバックのラバーはどちらですか?
フォア面がディグニクス09C、バック面がザイア03です。公式の選手ページには面の区別がなく、2026年3月5日に卓球レポートに掲載された本人インタビューでの発言が情報源です。
いつから今の組み合わせですか?
本人によると、バック面をザイア03に変えたのは中国スマッシュ2025で梁靖崑選手に勝った2週間前ぐらいからです。公式の選手ページは2025年10月1日現在の掲載で、それ以前はディグニクス05が2枚目のラバーとして掲載されていました。具体的な日付は公表されていません。
張本智和選手と同じラケットですか?
違います。張本智和選手の公式掲載品は張本智和 インナーフォース SUPER ALC で、松島輝空選手は樊振東 ALC です。ただし松島輝空選手も、2022〜2023年の掲載では張本智和 インナーフォース ALC を使っていました。
ラバーの厚さは何mmですか?
松島輝空選手が使っている厚さは、公式の掲載と本人の発言のどちらでも公表されていません。製品として選べる厚さは、ディグニクス09Cが2.1と1.9、ザイア03が2.7と2.5です。
初心者や子どもが同じ用具を使ってもいいですか?
使ってはいけないわけではありません。ただ、硬度44のラバー2枚と特殊素材のラケットの組み合わせになり、3点の合計は税込44,550円です。本人もザイア03は「慣れないと難しい」と話しています。今の練習でボールを安定して返せるかを優先し、扱いやすい用具から始めることも考えてください。