SUMMARY
この記事の要約
卓球ラケットは、持ち方、グリップ形状、素材、ラバーの組み合わせを決め、最後に重さと面の形状を確かめて絞り込みます。合わないラケットは打球が安定しにくく、重さによっては手首や肘へ負担がかかるため、見た目や価格だけで決めないでください。予算は、本体価格とラバーを含む総額を分けて計算します。
この記事でわかること
買い替えでは今の用具で残したい点を決め、本体の破損なのか、ラバーの摩耗や打点の問題なのかを確かめます。
【最短結論】3つの質問で決まるラケット診断
自分に合うラケットが今すぐ知りたい人のために、簡単な診断フローチャートを用意しました。3つの質問で比較するラケットタイプを絞ります。初心者からの買い替えでは、今の持ち方と用具で困っている点も合わせて考えます。
flowchart TD
A[Q1: どの握り方で選びますか?] -->|A1: シェークを使う / まだ迷っている| B(シェークハンドが基本です)
A -->|A2: ペンを使う| C(ペンホルダーを選びましょう)
B --> D{Q2: 予算はどれくらいですか?}
C --> D
D -->|B1: 1万円以下| E[5枚合板などを実際の価格で比較]
D -->|B2: 1万円を超える| F{Q3: プレースタイルは攻撃的?守備的?}
F -->|C1: 攻撃的に攻めたい| G[スピード重視の7枚合板 or 特殊素材ラケット]
F -->|C2: 安定感を重視したい| H[コントロールしやすい5枚合板 or インナー特殊素材]
E --> I(結論: 貼り上げ済みラケットか、コントロール系5枚合板に扱いやすいラバーの組み合わせが比較の候補です)
G --> J(結論: アウター特殊素材や7枚合板に、スピン系テンションラバーの組み合わせがおすすめです)
H --> K(結論: インナー特殊素材や5枚合板に、今のラバーを残した組み合わせから比較します)この診断はあくまで一般的な目安です。より詳しく自分に合った一本を見つけるために、次のステップに進みましょう。
卓球ラケットの選び方5ステップ
ラケット選びには正しい順序があります。デザインや価格だけで決めずに、以下の5つのステップで論理的に選ぶことが上達への近道です。

ステップ1: 持ち方を決める (シェーク / ペン)
ラケットには大きく分けて2種類の持ち方があります。
- シェークハンドは、握手をするように握るスタイルです。現代卓球の主流で、フォアハンドとバックハンドの切り替えがしやすい点が特徴です。初心者で特にこだわりがなければ、まずシェークハンドから始めるのが定石です。
- ペンホルダーは、ペンを持つように握るスタイルです。手首の可動域が広く、強力なフォアハンドドライブや多彩なサーブが出しやすいです。ただし、バックハンドの習得難易度が高い側面もあります。
特別な理由がない限り、初心者はシェークハンドを選ぶと良いスタートが切れます。
ステップ2: グリップ形状を選ぶ (FL / ST)
シェークハンドラケットには、主に2種類のグリップ形状があります。手の大きさや握り方の好みで選びます。
- フレア (FL)は、グリップエンドにかけて少し広がっている形状です。手にフィットしやすく、すっぽ抜けにくい安心感があります。最も一般的で、初心者におすすめの形状です。
- ストレート (ST)は、まっすぐな形状のグリップです。握り方の自由度が高く、打球時にグリップを微調整したい選手に好まれます。
他にもアナトミック(AN)やコニック(CO)といった形状がありますが、まずはFLかSTから選ぶのが基本です。
ステップ3: 合板の種類と素材を決める (5枚 / 7枚 / 特殊素材)
ラケットの板(ブレード)は、打球感やボールの飛び方を決定する最も重要な部分です。
- 5枚合板は、木材を5枚重ねた、最も標準的な構成です。ボールを掴む感覚に優れ、コントロールしやすいのが特徴です。基礎技術を練習する際の比較の出発点になります。
- 7枚合板は、木材を7枚重ねた構成です。板厚や使う木材も異なるため、5枚合板より必ず弾むわけではありません。パワープレーをしたい中級者以上に向いています。
- 特殊素材ラケットは、カーボンやアリレートカーボン(ALC)などの特殊繊維を挟んだラケットです。弾みを高める設計も、扱いやすさを重視する設計もあります。素材名だけで難易度は決まりません。
初心者はまず5枚合板から始める方法がありますが、枚数だけで上達を保証するものではありません。
ステップ4: ラバーを組み合わせる (貼り上げ済みか別々か)
ラケットには、ラバーが最初から貼られている「貼り上げ済みラケット」と、ラケットとラバーを別々に購入して貼り付けるタイプがあります。
- 貼り上げ済みラケットは、比較的安価で、すぐに使えます。コントロール性能を重視した組み合わせが多く、レジャーや入門用に適しています。
- ラケットとラバーを別々に購入する場合は、自分のプレースタイルに合わせて無限の組み合わせが可能です。本格的に競技として取り組む場合はこちらを選びます。
最初に貼り上げ済みラケットを使う場合も、ラバーを交換できるかは商品ごとに確認します。買い替え時は本体が傷んでいるのか、ラバーの交換だけでよいのかを分けると、必要な箇所へ予算を使えます。
ステップ5: 重さ・面の形状で最終調整する
最後にラケット全体の重量と、ブレードの面の形状を確認します。本体の平均重量は製品ごとに異なります。年齢や性別で適正重量を固定せず、今の完成重量を基準に軽い候補と重い候補を比べます。ラバーを貼った状態で連打したとき、終盤まで振り戻せるかを確認してください。
完成重量の測り方や、ラバー交換後の重さの見積もり方は、卓球ラケットの重さの選び方で手順を確認できます。
面の形状は、丸みを帯びた「ラウンド型」と少し角ばった「スクエア型」があります。面の形状だけではスイートスポットの広さは決まりません。面積が変わると貼るラバーの大きさも変わるので、重心と完成重量まで確かめます。
初心者が避けたいラケット選びの失敗例5つ
初心者がラケット選びで陥りやすい失敗を、代表的な5つに分けて確認します。

失敗例1: 最初から高価な特殊素材ラケットを買ってしまう
トップ選手が使うような高価な特殊素材ラケットに憧れる気持ちは自然です。しかし、製品によっては今より反発が大きくなり、台上やブロックで長く出る場合があります。価格だけで決めず、メーカーの設計と現在の用具との違いを確認してください。
上級者向けラケットの罠 「良い道具を使えば上手くなる」は、あるレベルまでは間違いです。まずは自分のスイングでボールをコントロールする技術を身につけることが最優先です。高価なラケットへの投資は、基本技術が身についてから検討しましょう。
失敗例2: 通販サイトの激安品に手を出して後悔する
2,000円以下の極端に安いラケットセットも存在します。しかし、価格だけでは品質や寿命を判断できません。本体・ラバーの製品名、競技用の公認、交換への対応が不明なまま買うと、使用目的に合わず買い直す場合があります。
大会に出る予定があるなら、卓球ラケットの用具ルールで、公認刻印やラバーの公認リストの見方も購入前に確認しておくと安心です。
失敗例3: 手に合わないグリップで変な癖がつく
グリップはラケットと身体をつなぐ唯一の接点です。自分の手の大きさに合わないグリップを使い続けると、無意識に力んだり、切り替えで持ち直したりする場合があります。また、変な握り癖がついてしまい、後から修正するのが大変です。
失敗例4: 重すぎるラケットで手首を痛める
自分の筋力に見合わない重いラケットを振ると、スイングが遅くなるだけでなく、手首や肩に負担がかかり怪我につながります。年齢や性別にかかわらず、痛みが出るときは使用を中止し、用具だけを原因と決めず状態を確認してください。
失敗例5: 子供のラケットを大人用と同じ基準で選ぶ
小学生の子供に、大人用を年齢だけでそのまま選ばず、本人の手と動きに合うか確認します。子供の体格に合わせたジュニア用ラケットを選びましょう。軽くてグリップが細く設計されており、本人が握りやすいかを確かめられます。
個人差を解消するラケット選びのマトリクス
ラケット選びでは、性別や体格といった個人差の考慮が不可欠です。以下の表で、自分に合ったスペックを見つけるための目安を確認しましょう。
手の大きさとグリップ形状の早見表
| 手の大きさ |
おすすめのグリップ形状 |
特徴 |
| 小さい |
細めのFL、ST |
握りやすく、操作性が高いです。 |
| 標準 |
標準的なFL、ST |
最も選択肢が多く、フィット感で選べます。 |
| 大きい |
太めのFL、ST、AN |
しっかり握り込めて、パワーを伝えやすいです。 |
可能であれば、実際に店舗で握ってみて、しっくりくるものを選ぶのが最善です。
体格・筋力とラケット重量の目安
| 現在の困りごと |
重量を比べる方向 |
選ぶポイント |
| 子供が柄を包みにくい |
小さいグリップと完成重量を確認 |
軽さだけでなく、指が自然に置けるか見ます。 |
| 連打の後半に振り遅れる |
今より軽い候補を比較 |
重心とラバーの厚さも合わせて確認します。 |
| 今の重さで困っていない |
近い完成重量を基準にする |
本体の素材を変える際も重さを同時に増やさない方法があります。 |
| 重いモデルで打球感を比べたい |
重さの異なる候補で同じ打法を試す |
強打だけでなく、台上と戻りの動作も確認します。 |
【価格帯別】予算で選ぶ卓球ラケットのベストバイ
ラケットの価格は素材や製法などで変わりますが、必ずしも高価なものが最適とは限りません。予算に合わせて最適な一本を選びましょう。

〜5,000円: まずは卓球に慣れるための入門モデル
この予算では「貼り上げ済みラケット」のほか、本体だけを買う選択肢もあります。例えばエクスター5の公式価格は3,850円です。ラバー交換の可否は商品ごとに異なります。
レジャーや、続くかどうか分からない最初の1本として最適です。
5,000〜10,000円: 部活生や本格的に始めたい大人の鉄板
ラケットとラバーを別々に選べるようになる価格帯です。コントロール性能に優れた5枚合板ラケットが主流で、部活動で基礎を固める中高生や、趣味で本格的に始めたい大人におすすめです。表示価格が本体のみか、両面のラバーと貼り加工まで含むかを確認します。
10,000〜30,000円: 中級者が次のステップに進むための相棒
7枚合板や特殊素材ラケットが選択肢に入ります。自分のプレースタイルが確立し、より高い威力を求める中級者向けの価格帯です。ラバーとの組み合わせ次第で、性能を大きく引き出せます。
【シーン別】あなたにぴったりのラケットモデル系統
プレーヤーの年齢や目的によっても、最適なラケットは変わります。
中学生・高校生の部活動向け
基礎技術の習得が最優先です。コントロールしやすくボールを掴む感覚を養える、85g前後の5枚合板ラケットが基本になります。性別を基準に軽さを指定せず、本人の連打と台上の動きで扱えるかを確かめます。
大人の初心者向け (男女別)
性別で素材や重さを分ける必要はありません。5枚合板や扱いやすさを重視した特殊素材モデルを候補にし、本人の手と今のスイングで比較します。インナーという配置名だけで扱いやすさは決まりません。
楽しむことを第一に、振り抜きやすい重さを選びましょう。
小学生の子供向け
ジュニア専用設計も候補です。ブレード面が少し小さく、グリップも細く軽いため、子供の小さな手でもしっかり握れます。安全に正しいスイングを身につけるための重要な選択です。
シニア世代の健康卓球向け
軽量で扱いやすいラケットがおすすめです。重いラケットは肩や肘への負担が大きくなります。反発力を抑えたコントロール系のラケットで、ラリーを楽しむことを重視しましょう。
卓球ラケットの人気主要メーカー比較
国内で製品情報を確認しやすいメーカー3社について、ラインアップの特徴と選ぶ際の注意点を整理します。
バタフライ (BUTTERFLY)
世界トップクラスの選手が多く使用する、卓球界のリーディングカンパニーです。特にアリレートカーボンなどの特殊素材ラケット開発で知られ、高性能なモデルを多数ラインナップしています。入門向けの木材合板から特殊素材まで価格帯に幅があります。
ニッタク (Nittaku)
日本の老舗卓球用品メーカーです。木材の品質に定評があり、初心者からプロまで幅広い層に愛されるバランスの取れたラケットを製造しています。品質とコストパフォーマンスのバランスに優れています。
ミズノ (MIZUNO)
総合スポーツメーカーとしての技術力を活かし、近年卓球界でも存在感を増しています。独自のカーボン素材を使用したラケットなど、ユニークな製品開発が特徴です。安心の国内メーカーとして信頼できます。
その他の中・上級者向けブランド
VICTAS、YASAKA、STIGA、XIOMなど、他にも個性的なラケットを開発するメーカーは多数存在します。自分のプレースタイルが確立してきたら、これらのメーカーの製品を試すのも面白い選択です。
今のラケットは合っている?買い替えタイミング診断
「今のラケットを使い続けていいのだろうか?」と感じる中級者のために、買い替えを検討する目安となるチェックリストを用意しました。
当てはまる数で買い替えを決めることはできません。破損があれば本体の交換を検討しますが、飛び方の変化はラバーの摩耗や打点が原因の場合もあります。基本技術を習得したという理由だけで、使えている本体を手放す必要もありません。
ラケットの寿命について ラケット本体(ブレード)は、ぶつけて割れたりしない限り、数年以上使用できます。バタフライは本体に固定の寿命を設けていません。ラバーは消耗品ですが、交換時期は使用期間と練習量、現物の状態で判断します。
ラバーの交換だけでも性能は大きく変わります。
買い替えで最初に決めるのは「今の何を残すか」です。次の表を使い、本体・ラバー・重量のうち、比較する対象を絞ってください。
| 今の状態 |
次に比較すること |
買い替えを急がなくてよい条件 |
| 表面が滑るようになった |
同製品ラバーの新品との違い |
本体に割れや握りの問題がない |
| フォアはよいがバックが長く出る |
バックの厚さ、打点と面角度 |
本体とフォアは使い続けたい |
| 完成状態が重く感じる |
本体重量とラバー、重心を分けて見る |
疲れや打点の遅れをまだ確認していない |
| 本体に割れ・大きな欠損がある |
同等仕様の本体を含めた交換候補 |
使用可否を確かめるまでは試合に持ち込まない |
価格を比べる例では、エクスター5は3,850円、インナーフォース レイヤー ALCは16,500円です。高い方へ進むことを成長の条件にはせず、何を変えたいかを先に決めます。本体だけの購入費とラバーを含む総額は別に計算してください。
このページは初心者から中級者への買い替えを扱います。まだ最初の1本も決めていない人は、ラケット選びの総合ガイドで持ち方と用途から確認できます。
まとめ
卓球ラケット選びは、あなたの上達を左右する重要なプロセスです。この記事で紹介した5つのステップと、予算・シーン別の選び方を参考にすれば、きっと最適な一本が見つかります。初心者はまずコントロールしやすい5枚合板から始め、自分の成長に合わせてラケットをステップアップさせていくのが王道です。
最終的には、実際に店舗で握ってみて、自分の感覚を信じることが大切になります。正しいラケット選びで、卓球をより一層楽しみましょう。
よくある質問
通販サイトでラケットを買っても大丈夫ですか?
信頼できる卓球専門店のオンラインショップや、大手スポーツ用品店のサイトであれば問題ありません。ただし、フリーマーケットサイトや極端に安い価格の出品者には注意が必要です。偽物や品質の低い製品のリスクがあります。可能であれば、最初は専門店で相談しながら購入するのが最も確実です。
ラケットとラバーはセット品と別々、どちらが良いですか?
これから卓球を始める完全な初心者や、レジャー目的であれば、手頃な価格のセット品(貼り上げ済みラケット)で十分です。部活動や本格的な趣味として始める場合は、最初からラケットとラバーを別々に選ぶことをおすすめします。自分のレベルや好みに合わせた組み合わせが可能で、上達も早くなります。
子供用のラケット選びで最も重要なことは何ですか?
最も重要なのは、子供の体格に合った「軽くて、グリップが細い」ジュニア用ラケットを選ぶことです。大人用のラケットは子供にとって重すぎて、正しいフォームの習得を妨げるだけでなく、怪我の原因にもなります。デザインよりも、まず安全と扱いやすさを最優先に考えましょう。
ラケットが欠けたり折れたりしたら修理できますか?
ブレードの小さな欠けであれば、木工用ボンドで補修できる場合があります。しかし、折れてしまったラケットの修理は不可能です。ラケットの側面を保護するサイドテープを貼ることで、台にぶつけた際の小さな欠けを予防できます。大切なラケットを長持ちさせるために、メンテナンスを習慣にしましょう。
まずは無料体験で確かめる
ここまで読んだ内容を実際のラリーで試すと、自分に足りない動きや用具との相性が見えてきます。一人では判断しにくい場合は、体験レッスンや専門店の試打を利用し、ラケットの重さと打球感を確かめてください。