SUMMARY
この記事の要約
公式大会で使う卓球ラケットは、大きさ・形・重さこそ自由ですが、ブレードの構成、ラバーの公認、接着剤、貼り上がりの状態まで規定に合っている必要があります。ブレードは厚さの85%以上を天然木で構成し、ラバーは公認品を公認接着剤で貼ります。国内大会では日本卓球協会の公認品を基準に、ラバーの色・厚さ・貼り上がりの状態も確認してください。市販品でも、古いラバーや加工したラバーはそのまま使えるとは限りません。
この記事でわかること
先に結論
日本卓球協会の公認ラケットに、公認ラバーを公認接着剤で正しく貼った市販品なら、基本的な条件を満たせます。ただし、古いラバー、加工したラバー、はみ出しや大きな欠損があるラバーは、市販品でもそのまま使えるとは限りません。
卓球ラケットのルールを一覧で確認
大会前に見るべき項目は次のとおりです。
| 確認箇所 |
主な規定 |
| ラケット本体 |
硬く平らで、厚さの85%以上が天然木 |
| 補強材 |
接着層に使え、全体の厚さの7.5%または0.35ミリの小さい方まで |
| ラバー |
日本卓球協会または国際卓球連盟の公認品 |
| ラバーの厚さ |
一枚ラバーは接着剤を含め2.05ミリ未満、スポンジ付きは4.05ミリ未満 |
| 打球面の色 |
片面はつやのない黒、反対面は黒とボールの色から明確に区別できる明るい色 |
| 接着剤 |
揮発性の有機溶剤を含まない、日本卓球協会の公認品 |
| 試合中の交換 |
偶発的な破損で使用不能になった場合を除き不可 |
試合の得点やサービスも含めた全体像は、卓球の基本ルールで確認できます。
ブレードは厚さの85%以上が天然木

国際卓球連盟の現行規則では、ラケット本体の大きさ・形・重さは自由です。一方、ブレードは硬く平らで、厚さの85%以上を天然木で構成します。
カーボン入りでも規定内なら使える
「天然木85%以上」は、特殊素材入りラケットを禁止する規定ではありません。接着層は、炭素繊維やガラス繊維、圧縮紙などの繊維材料で補強できます。ただし、補強された接着層の厚さは、ラケット全体の厚さの7.5%または0.35ミリのうち、小さい方を超えられません。
市販の特殊素材入りラケットは、メーカーがこの条件を踏まえて設計しています。国内大会で使う場合は、グリップ付近の公認刻印と、日本卓球協会の公認品一覧を確認してください。素材ごとの性能や選び分けは卓球ラケットの選び方で扱っています。
自作ラケットは国内大会で使えない
日本卓球協会は、自作ラケットについて、日本卓球ルールで行われる大会では使用できないと公式の質問集で回答しています。協会の公認刻印は審査済みであることを示し、個人からの公認申請は受け付けていません。
外国製ラケットは、競技開始前に審判長の許可を得れば使用できる場合があります。大会要項も確認し、不明な場合は事前に主催者へ問い合わせてください。
ラバーは公認品を規定どおりに貼る
ラケット本体が公認品でも、ラバーの状態が規定外なら試合では使えません。商品名だけでなく、貼り方と現在の状態も確認します。
公認リストと識別表示を確認する
打球に使う面には、日本卓球協会または国際卓球連盟が公認したラバーが必要です。ラバーの公認状況は変わることがあるため、大会前に最新の公認ラバーリストと照合してください。
日本卓球ルールでは、公認マークやメーカーの商標などが、グリップに最も近い位置ではっきり見えるように貼ることも求められます。切り方によって識別表示を落とさないよう注意が必要です。
ラバーは外周まで覆い、はみ出させない
ラバーは原則としてブレードの外周いっぱいまで覆い、外側へはみ出さないように貼ります。ただし、グリップに近く指で握る部分は、覆わないことも別の材料で覆うことも認められています。
打球面を構成するラケット本体、ラバー、接着剤の各層は、連続していて厚さが均一でなければなりません。大きな浮き、剥がれ、欠損、著しい凹凸がある場合はラケット検査で問題になります。
色と厚さにも決まりがある
打球面は片面がつやのない黒、もう片面が黒および使用球の色から明確に区別できる明るい色でなければなりません。両面を打球に使わないペンホルダーでも、使わない面を規定の色に整える必要があります。
赤と黒に分かれた経緯や、2021年から使えるようになった明るい色の条件は、卓球ラケットが赤と黒の理由で確認できます。
厚さは、一枚ラバーが接着剤を含めて2.05ミリ未満、スポンジ付きラバーが接着剤を含めて4.05ミリ未満です。市販ラバーでも、接着剤を厚く重ねると完成時の厚さに影響します。
接着剤は日本卓球協会の公認品を使う

日本卓球ルールでは、揮発性の有機溶剤を含まないものとして、日本卓球協会が公認した接着剤だけを使います。水性と書かれているだけで判断せず、容器の公認表示または協会が示す接着剤の一覧を確認してください。
卓球用ではない接着剤を代用しない
木工用や多用途の接着剤は、成分や塗膜の厚さが用具規定に適合する保証がありません。ラバーやブレードを傷めるおそれもあります。接着シートを使う場合も、競技用として認められた製品かを確かめます。
ラバーの貼り方そのものは、卓球ラバーを貼る6つの手順で詳しく確認できます。
ラバーを後加工してはいけない
公認ラバーは、認可された状態のまま使います。摩擦、外観、色、構造、表面などの性質を変える物理的・化学的な処理や添加物は認められません。ラバーを膨らませる目的の薬剤を塗る行為や、表面の摩擦を意図的に変える処理は避けてください。
ラバーを貼り替えた後の確認項目
貼り替え後は、次の順で確認すると見落としを減らせます。
- ラケット本体に国内大会用の公認刻印がある
- ラバーが最新の公認リストに載っている
- 公認マークと商標がグリップ側にはっきり残っている
- ラバーがブレードからはみ出していない
- 外周に大きな隙間や欠けがない
- 全面が平らに密着し、浮きや気泡がない
- 片面がつやのない黒で、反対面が規定に合う明るい色になっている
- 公認された接着剤以外の薬剤を使っていない
会場で貼る場合は指定場所を使います。
2026年9月1日から、日本卓球ルールで行う大会には、公認接着剤でラバーを貼る場所が用意されます。会場内の任意の場所では作業せず、大会側の案内に従ってください。
試合前と試合中のラケット交換ルール
壊れた原因の確かめ方や、割れているかどうかの見分け方は卓球ラケットが折れる・ヒビが入る原因で扱っています。

選手は試合開始前と、試合中にラケットを交換するとき、使用するラケットを相手選手と主審に示し、調べる機会を与えなければなりません。
個人戦の試合中は、ラケットを自由に交換できません。偶発的な事故で、使用できないほどひどく壊れた場合に限り交換できます。交換品は、競技領域に持参した別のラケットか、競技領域に届けられたラケットです。調子が悪い、ラバーの感触が合わないといった理由は交換の根拠になりません。
大会によっては試合前にラケットを検査します。公認品か、厚さや平坦性が規定内かを調べます。剥がれ・破損・欠損・はみ出しや、禁止された揮発性の有機溶剤も検査の対象です。
市販品を大会で使えるか判断する手順
「市販されているから合法」とは限りません。玩具やレジャー用の貼り上がりラケットには、公認競技用ではない製品もあります。次の3段階で判断してください。
1. ラケット本体の公認刻印を見る
国内大会では、日本卓球協会の公認刻印が基本です。刻印が見当たらない外国製品は、購入前に大会主催者または審判長へ確認します。
公認刻印が摩耗している場合でも、ただちに使用不可とは限りません。JTTAの用具FAQでは、審判長が判読できる場合は使用可能としています。刻印を自分で彫り直さず、確認できる写真や製品名を準備してください。
2. ラバーを最新リストで照合する
ラバー面にあるメーカー名、商品名、公認番号を読み取り、日本卓球協会の公認ラバーリストと照合します。中古品や長期保管品は特に確認が必要です。
3. 完成した状態を目視する
公認品同士でも、ラバーのはみ出し、浮き、識別表示の欠落があれば規定に合いません。色、厚さ、平坦性、外周、識別表示、破損の有無を確認します。判断に迷う部分は、大会当日ではなく事前に主催者へ写真を添えて相談すると確実です。
サイドテープは打球面にはみ出さず、光を反射するものを避けます。ラバーの厚さや識別表示を調べるため、審判からテープを外すよう求められることもあります。テープで外周の欠損を隠せば使える、という判断はできません。
片面しか打球に使わないペンホルダーでは、裏面の仕上げも見ます。カラーラバーを使うなら反対面はつやのない黒です。黒ラバーを使うなら反対面は規定に合う明るい無光沢の色で、JTTAは赤を推奨しています。両面の色が異なるだけでなく、片面を黒にする条件を忘れないでください。これらもJTTAの用具FAQで確認できます。
まとめ
卓球ラケットの用具ルールは、ラケット本体だけで決まりません。ブレードは厚さの85%以上が天然木で、補強材にも厚さの上限があります。そのうえで、公認ラバーを公認接着剤で貼り、色・厚さ・平坦性・外周の状態を規定内に整える必要があります。
市販品を公式大会で使うなら、「本体の公認刻印」「ラバーの最新公認リスト」「貼り上がりの状態」の3点を確認してください。競技規則や公認品一覧は更新されるため、大会要項と日本卓球協会の公式情報を最後に照合することが大切です。
規定の原文と最新の対象製品は、日本卓球協会の競技規則、日本卓球協会の公認品一覧、2026年9月1日施行の国内改定概要、国際卓球連盟の2026年規程で確認できます。
よくある質問
カーボン入りラケットは公式大会で使えますか?
使えます。ブレードの厚さの85%以上が天然木で、補強された接着層が全体の厚さの7.5%または0.35ミリの小さい方を超えないなど、規定を満たす必要があります。国内大会では日本卓球協会の公認品かも確認してください。
ラケットの大きさや重さに上限はありますか?
大きさ・形・重さは自由です。ただし、ブレードは硬く平らで、素材構成の規定を満たさなければなりません。
市販の貼り上がりラケットなら大会で使えますか?
市販品というだけでは判断できません。ラケット本体の公認刻印、ラバーの公認、色、厚さ、貼り方を確認してください。レジャー用には公式大会を前提としていない製品もあります。
ラバーはブレードより少し小さくても使えますか?
原則としてブレードの外周いっぱいまで覆う必要があります。グリップに近く指で握る部分は例外ですが、外周に明らかな隙間がある状態は避けてください。
水性接着剤ならどれでも使えますか?
日本国内の公式大会では、水性という表示だけでなく、日本卓球協会の公認品であることを確認してください。卓球用ではない接着剤の代用は避けます。
試合中にラバーを貼り替えられますか?
原則として貼り替えられません。偶発的な破損でラケットが使用不能になった場合は別のラケットへ交換できますが、会場でラバーだけを貼り替えて試合を続けることを前提にはできません。
ラバーの端が少し欠けていても使えますか?
ごく軽い傷が直ちに不適合になるとは限りませんが、欠損が表面の連続性や均一性を大きく損なうと認められません。大会前に主審または審判長へ確認してください。
ラケット検査では何を確認されますか?
公認品、ラバーの厚さ、平坦性、剥がれ、破損、欠損、はみ出しなどを確認します。検査設備がある大会では、禁止された揮発性の有機溶剤の有無も検査します。