DAWEI(大維)のラバーを知る|世界選手権に名を残したメーカーと388の違い

海外メーカー図鑑 09 DAWEI
目次

この記事の要約

DAWEI(大維)の名前を初めて見ると、388という数字の付いたラバーが目に入ります。似た型番が並んでいても、同じ種類や性能を表すわけではありません。そのメーカー名は、実は2000年の世界選手権の大会名にも残っています。全9回の「知られざる海外卓球メーカー図鑑」、第9回は、歴史の中の名前と現在掲載される用具を結び付けながら、粒のあるラバーを選ぶ視点を広げます。

この記事でわかること

タブレットで卓球用具を見つけて喜ぶ女性
気になるメーカーを見つけたら、製品と一緒にその歩みもたどってみましょう。

DAWEIの名前は2000年の世界選手権にも残っている

国際卓球連盟の記事に残る大会名

国際卓球連盟(ITTF)の2020年3月28日付の記事は、21世紀の女子ドリームチームを考える内容です。選手たちの歩みを振り返る中で、クアラルンプールでの2000年大会を「Dawei 2000 World Team Championships」と記しています。

初めて聞くメーカー名でも、卓球の歴史をたどると別の場所で見つかることがあります。 名前を知らなかったことと、競技との関わりが浅いことは同じではありません。商品名だけを眺めると分からない背景が、この大会名から見えてきます。

ITTFの記事は、女子のトップ選手を振り返る中でこの大会名を用いています。いま製品を調べているメーカーの名前が、選手たちの歩みを記した資料にも登場する。そのつながりに気付くと、ラバーの型番にも少し違う興味が湧いてきます。

天津の卓球用具メーカーとして知る

メーカーが掲げる企業名はTianjin DAWEI Cultural And Sports Goods Co., Ltd.です。天津の卓球用具メーカーで、ラバーに加えてラケットも掲載しています。

メーカーの製品案内では、ラバー、ラケットの板、完成品ラケット、衣類、シューズ、アクセサリー、卓球台を分けています。長い粒のラバーで名前を知った人には、競技の周辺まで用具を扱う姿が新鮮です。単独のラバー名としてではなく、卓球用品を幅広く手掛ける会社の名前としてDAWEIを覚えられます。

紅双喜の歴史と用具づくりを読むと、中国の卓球用具にも異なる歩みがあると分かります。DAWEIも中国メーカーという一言でまとめず、確認できる歴史と製品を一つひとつ見ていくと、関心を持ちやすくなります。

大会との関係と、選手との関係

大会名にメーカー名があっても、その大会の選手を契約選手や使用者とは判断できません。選手の用具を知りたい場合は、本人やメーカーによる別の発表が必要です。

同じ388でも、同じラバーではない

数字の後ろにある文字まで読む

388C-1、388C-2、388D-1、388D-2。数字だけを見ると、小さな仕様変更のように見えます。しかし、388という共通部分だけでは、ラバーの種類や使い方を決められません。

2026年10月に再確認したメーカーの掲載情報では、D系の388D-1、388D-2は長い粒を持つラバーの分類にあり、Saviga-77も同じく粒高として掲載されています。C系の名前もありますが、C-2の細かな分類は資料間に揺れがあり、表ソフトや粒高のどちらかへ推定で振り分けません。

掲載される製品名 メーカー掲載で確認できること 注目する違い
388C-2 製品名の掲載あり C系という名前と、具体的な粒の分類を分けて確認
388D-1 長い粒、スポンジに触れた製品説明 表面に加えて、その下のスポンジも構成要素
388D-2 長い粒、色付きスポンジに触れた製品説明 同じ粒高の中にも製品の選択肢がある
Saviga-77 長い粒のラバーとして掲載 388という数字以外の名前にも粒高がある

型番と仕様の確認は、この順番で

388C-1と388C-2を見つけたときは、別製品として説明を読みます。数字を発売順や性能順位とみなさず、製品名、分類、スポンジの有無や厚さを一組で確かめましょう。

388の数字より、末尾までの製品名とラバーの分類を先に確かめましょう。 ここをそろえておくと、知りたい製品の説明へたどり着きやすくなります。

DAWEIの掲載では、388D系の中にスポンジへ触れる説明があることも気になります。粒の見た目に目が向きますが、球が当たる表面の下にも材料があります。表面の名前だけで用具の構成が完結するわけではないと気付ける例です。

知らない名前ほど、評価の前に種類を知る

初見のラバーに出合うと、「強いのか」「扱いやすいのか」が気になります。でも、その前に表面の形を知ると、説明の読み違いが減ります。

球に触れる表面が平らな裏ソフトと、粒が外側に出ているラバーでは、同じような当て方をしても感触が変わります。さらに、外向きの粒を持つ製品の中にも種類があります。

銀河のラバーをたどる記事でも、メーカー名だけでは製品の違いを表せないことが分かります。DAWEIも、一枚の評判から会社全体の性能を決めるより、どんな種類を扱うメーカーかを知るところから楽しめます。

粒の異なる二枚のラバーを机に並べて見る女性
388の数字だけで選ばず、末尾の文字とラバーの種類を揃えて比べましょう。

粒の違いを、次に打ちたい一球につなげる

表ソフトと粒高は、粒が外側にあるだけでは同じにならない

表ソフトと粒高は、どちらも粒が外向きになったラバーです。ただし、粒の形や変形の仕方などが異なり、同じ感覚で使えるとは限りません。一般に表ソフトは比較的短い粒、粒高は長い粒を持ちます。

分類を知る目的は、球を打つ前から勝ち方を決めつけることではありません。 どんな当て方を覚え、どの場面で使いたいかを考えやすくするためです。DAWEIの特定モデルを試打した結果とは分けて理解してください。

たとえば、相手の速い球を台の近くで返したい場合でも、低く短く収めたいのか、速く返して時間を奪いたいのかでは希望が違います。「ブロック用」という一言で済ませず、返したい球の長さやコースまで思い浮かべると、練習の目的もはっきりします。

返球が変わった後、自分はどこで待つか

いつもと違う回転や速度の球を返せると、相手が打ちにくそうにすることがあります。そこで満足せず、次に自分が打つ球まで考えると、用具と戦い方がつながります。

やってみたい返球 続けて考えたいこと
短く返して相手を前へ動かす 次に長い球が来たとき、後ろへ下がれるか
バック側へコースを変える 相手の返球を、フォアで狙える位置に戻れるか
遅い球でタイミングを変える 自分も急がず、次の球を見て動けるか
低い球で相手の強打を防ぐ 浮いた返球に対して、攻める準備ができているか

388D系やSaviga-77に興味を持ったら、まず自分が覚えたい返球をこのように具体化できます。上の表は製品別の実打評価ではなく、粒高を使ったプレーに関心を持った人へ向けた練習の整理です。角度、力加減、体の位置を合わせながら、返球後に攻める機会を作るところまで楽しめます。

返した後の一球まで練習する

球出しやラリーでは、ブロック一球で止めず、次の球まで続けてみましょう。返球後に立ち止まっていないか、次の打球に間に合うかを確かめられます。

回転の変化を、ラバーだけの手柄にしない

粒高などを使った相手と対戦すると、予想より球が落ちたり、持ち上がりすぎたりして戸惑うことがあります。ただ、その返球は相手のラバー名だけで説明できるものではありません。

自分が直前にかけた回転、相手の当て方、球の速さも関わります。「この型番なら必ず同じ球が返る」と覚えるより、自分の打球と戻ってきた球を組にして観察する方が、次の対応を考えやすくなります。

ラバーの特徴を知ることと、相手が次に返す球を見極めることは、両方とも必要です。 用具への興味を、相手の打球を見る練習につなげてみましょう。

ボールのかごを台車に載せて練習の準備をする女性
受ける球を決めておくと、ラバーを替えたあとの返球も確かめやすくなります。

ラバーだけでなくラケットも作っている

DW-08とDW-09から見える製品の幅

メーカーの掲載情報には、木製ラケットのDW-08や、炭素繊維に触れたDW-09もあります。DAWEIを粒高だけのメーカーとして覚えると、ラケットも手掛ける全体像が見えにくくなります。

ただし、この掲載だけでは板の詳しい構成や重量、どんなラバーとの組み合わせが適するかまでは判断できません。ラケットも扱っているという製品の幅と、実際の感触の評価を分けて読むことが必要です。

GEWOのラケット共同開発では、外側の木材や芯材まで説明された設計を読めます。どのメーカーでも同じ詳しさの情報が得られるわけではありません。情報が少ない製品を、素材名だけで速い、遅いと決めつけずに理解したいところです。

DW系の掲載は、板そのものを見るきっかけになる

ラケットを完成品だけで覚えていると、ラバーを貼る前の板を選ぶことは、少し難しく感じます。DAWEIの案内でも、板と完成品ラケットは別の分類です。DW-08やDW-09を読むときも、まず板についての説明を見ていると分かれば、ラバーとの関係を整理できます。

木材と炭素繊維を含む素材の違いに注目するなら、次は自分がラケットのどこに関心を持ったのか考えてみましょう。重さの感覚、握ったときの収まり、打球時に手へ伝わる感触では、調べたい情報が変わります。DW系は、粒高の型番から始まった興味を、ラケット全体へ広げるきっかけになります。

メーカーの製品範囲を並べると、次のように整理できます。

  • ラバー:388D系とSaviga-77など、球に触れる材料。
  • ラケットの板:DW-08やDW-09など、ラバーを貼る本体。
  • 完成品ラケット:板とラバーを組み合わせた用具。
  • 周辺用品:衣類やシューズ、アクセサリー、卓球台など。

ラバーを貼り替える話と、板を交換する話は、この中の違う部分です。今の用具を見ながら、どこを変えてみたいのか指差せるようになると、メーカーの説明も身近になります。

木のブレードを両手で持ち端を観察する女性
ラバーに加えてラケットの構成も読むと、メーカーの用具づくりを広く楽しめます。

初めてのDAWEIは、目的を一つに絞って調べる

世界選手権に名を残すメーカーが、いまどんな用具を並べているのか。そこから388D系やSaviga-77、DW系へ進むと、それぞれに違う関心を持てます。DAWEIでは、粒高の表面とスポンジ、さらにラケットの板まで、用具の構成を順に考えられます。

「変化が欲しい」だけでは、何を練習すればよいか分かりにくいはずです。「バックのブロックが長くなりすぎる」「短く返した後に次球へ遅れる」まで具体的にすれば、用具と技術のどちらを確かめたいのか考えられます。

記録は名前とプレーを一緒に

気になった用具の型番と、確かめたいプレーを一組にして書き残しましょう。型番だけのメモより、次に何を調べればよいか思い出しやすくなります。

388D系をきっかけに粒高へ興味を持ったなら、台の近くで返すプレーと、台から離れて返すプレーを見比べてみましょう。同じ分類のラバーが登場しても、選手の立ち位置、振る大きさ、次に動く方向は違います。ラバーの名前と選手の動きを一緒に見ることで、自分が試してみたいプレーを見つけやすくなります。

知らないメーカーを知る楽しさは、名前を覚えるだけでなく、今まで考えなかったプレーに関心を持てることです。 DAWEIの場合は、大会史に残る名前と、似た数字の中にある製品の違いが、そのきっかけになります。

よくある質問

DAWEIと大維は同じメーカーですか?

本稿では、卓球用具メーカーのDAWEI(大維)を指しています。メーカーはラバーだけでなく、ラケットも掲載しています。 同じ英字名の別分野のブランドと混同しないよう、卓球用品の情報かを確認しましょう。

388シリーズは全部粒高ですか?

メーカー掲載では388D-1と388D-2が長い粒のラバーとして扱われています。C系は別の製品名で、C-2の細かな分類は本稿で確定できていません。

DAWEIの契約選手は誰ですか?

確認できた資料では、現在の契約選手と使用用具を確定できませんでした。選手名を推測で挙げず、確認できた大会史と製品群を中心に扱っています。

Saviga-77と388D系は同じラバーですか?

どちらもメーカーの粒高の掲載に登場しますが、同一製品とは判断できません。似た分類でも感触や返球まで同じとは限らず、別の製品名として区別する必要があります。

DAWEIはラケットも作っていますか?

メーカーの掲載には、木製ラケットのDW-08や、炭素繊維に触れたDW-09があります。ラバーに加え、板や完成品ラケット、周辺用品も扱うメーカーです。

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シリーズ:知られざる海外卓球メーカー図鑑(全9回)
  1. 第1回 銀河(YINHE)のラバーを知る|太陽の通常版・特注版と陳Proの開発背景
  2. 第2回 紅双喜(DHS)はどんな卓球メーカー?キョウヒョウの歴史と選手が選ぶ理由
  3. 第3回 GEWOのラバーとラケット|アルナ選手との共同開発とドイツの用具づくり
  4. 第4回 LOKI(ロキ)の卓球用具|王皓選手の開発協力とRXTONだけではない魅力
  5. 第5回 マテリアルスペシャリストのラバー|規則変更から生まれた異質系の発想
  6. 第6回 ザウアー&トレーガー(Sauer & Tröger)のラバー|粒高選手が用具と講習を作った理由
  7. 第7回 スピンロード(SpinLord)のラバー|ドーネングランツの番号と、遅すぎたアンチの開発秘話
  8. 第8回 SANWEI(三維)は粘着だけではない|選手の構成とTargetの違いを読む
  9. 第9回 DAWEI(大維)のラバーを知る|世界選手権に名を残したメーカーと388の違い(このページ)
y0n0zawa

ライター

y0n0zawa

気づけばデスクワーク歴20年。パソコンの前に座りすぎて、腰は悲鳴をあげ、ついにはヘルニア持ちに。そんなある日、鏡に映った自分の体型に衝撃を受け、「これはまずい」と一念発起。ダイエットと運動不足解消のために20年ぶりに卓球ラケットを握ったら、昔の血が騒ぎ出した。 最初はフォアすら入らず途方に暮れたが、徐々に感覚を取り戻し、今では“ヘルニア持ち卓球戦士”として奮闘中。腰をかばいつつもスマッシュは全力、練習後は湿布と仲良し。学生時代とは違う、大人ならではの視点で卓球を楽しみ直しながら、同じように再チャレンジする人に役立つ情報を発信している。